東村山市は老朽化が進んだごみ焼却炉の更新をめぐり、隣接3市で作る「柳泉園」(東久留米市下里)での処理の可能性について協議の場を設けるよう申し入れ、このほど両者で合意した。(カバー写真:秋水園の焼却施設)
東村山市のごみ処理施設「秋水園」(同市秋津町)は市制施行を前にした1962年に単独の事業で発足。現在の焼却炉は1日当たり75トンの処理が可能な炉2つを持ち、稼働から42年以上が経過して、2028年度を目標に施設の更新が計画されていた。
しかし物価、人件費の高騰などで計画遂行が困難となったことから、単独処理をあきらめ、近隣の東久留米、西東京、清瀬3市でつくる「柳泉園組合」の焼却炉での処理の可能性を探ってきた。
柳泉園組合は1960年に保谷町(現西東京市)、田無町(同)、久留米町(現東久留米市)が合同して設立した「北部3カ町衛生組合」が前身。その後名称変更し70年清瀬市が加わった。1日105トン処理可能の焼却炉3基を持ち、稼働から23年が経過してそろそろ更新計画を策定する時期を迎え、広域処理を計画するにはいいタイミングではないかという。
柳泉園は東村山、東久留米の市境地区にあるという立地や、ごみの排出量が年々減っている点も統合に有利な事情とみられている。しかし、統合実現後の秋水園施設をどうするかなどは未定。
今後、関係市、団体で具体的な協議が進むとみられる。「秋水園」「柳泉園」ともに施設改修などの費用捻出と分担をどうするか、さらに地元の理解を得るなどの課題を抱えている。
東村山市環境資源循環部は「まだ協議の場を設ける合意ができただけで、具体的な計画やスケジュールは何も決まっていない。今後さまざまな課題が浮かぶと思われるが着実に進めていきたい」と話している。