西武新宿線下り線が東村山駅で高架化され、6月29日の初電車から運行が始まった。東京都と西武鉄道は2013年から約935億円をかけて西武新宿線、国分寺線、西武園線連続立体交差事業を進めており、28年の完成を目指して東村山駅前後の区間(延べ4.5キロ)を高架化し、5カ所の踏切を撤去して交通渋滞を解消するとともに、東村山市は地域の一体化や道路整備を推進することを目指している。西武新宿線の駅が高架化されるのは初めて。
この日午前、一駅手前の久米川駅を出発した電車は新青梅街道の陸橋をくぐると、高架線へと急上昇し東村山駅に向かった。先頭車両前方には多くの客が詰めかけカメラを向けた。ある女性客は「きょうから切り替えなんですか。ラッキー」と喜んだ。東村山駅の新ホームからは八国山や遠くの山々が美しく眺められ、目的駅ではないのに「ねえここで降りようよ」とせがむ子どももいた。
この日から新宿線の下り線で踏切4カ所の遮断時間が短縮され、交通渋滞がやや緩和されることになったが、例えば府中街道の踏切では上り線用の遮断機が残る。東村山駅も地上ホームと高架ホームが複雑に共存するなど、工事中の不便はしばらく続く。

