記者会見する渡部尚・東村山市長

 東村山市立萩山小学校(同市萩山町)の建て替えに伴う複合施設建設事業で渡部尚・東村山市長は8月24日記者会見して、見直した事業案をあらためて9月定例市議会に提案すると発表した。同事業は2026年3月の市議会で契約議案が否決され、振り出しに戻っていた。

 見直された計画によると、萩山小の建て替えを機に、同じく老朽化が進む周辺の公民館、図書館、集会所など地域の公共施設の機能を集約した2階建ての複合施設とする設計はほぼ当初通りで、総事業費も約300万円の物価高騰分が上乗せになったものの約80億円と変わらず、2030年4月の利用開始という目標もなんとか達成できるという。

 主な変更点はコンソーシアム(共同事業体)から前田建設工業(東京都千代田区)が外れたのと、複合施設内の公民館などの機能の見直し。前田建設工業は熊本県八代市の新庁舎建設工事を巡る汚職事件に関与したとされ、前回仮契約にまで進んだ「乃村工藝社」(東京都港区)を代表とする6社のグループから外れることになった。

 市は3月議会での契約案否決の後、議員からのヒアリングを通じて計画見直しに取り組んだ。その結果、80億の金額の積算についての説明が不足しているとの不満のほか、公民館、高齢者施設・憩いの家、地域集会所の3つの機能を備えた複合施設内のコミュニティゾーンの利用の仕方が定まっていないとの指摘が多かった。このため、コミュニティゾーンを新たな形の公民館として再生することにし、例えば飲食を伴う会合については公民館でも認める新しい形をつくっていく方向性が打ち出された。

 市は8月31日から始まる市議会定例会初日にまず約80億円の総事業費を債務負担行為として含む補正予算案を提案、可決されれば仮契約を交わし、10月6日の最終日に本契約案を提案する。

 この日の記者会見で渡部市長は「これから人口が減少することが分かっている中ですべての公共施設を更新、保全することはできない。今後はいろいろな機能を集約してうまく使っていくことを考えていかなければならない。現時点で可決の見通しが立っているわけではないが、最善を尽くして説明に努める」と述べた。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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