署名簿を添え住民投票の請求書を提出する市民団体メンバーら(1月15日、清瀬市役所)=関根美保子さん提供

 清瀬市が市立図書館6つを再編して4つを閉館することを決めたのに対し、市民団体が閉館の是非を問う住民投票を実施するよう求めた請願書を1月15日に渋谷桂司市長に提出した。これを受けた臨時市議会が2月3日に開かれ、住民投票の可否が審議される。

 清瀬市には「中央」「駅前」「竹丘」「野塩」「下宿」「元町こども」の6図書館があるが、市は利用率の低迷などを理由に「竹丘」「野塩」「下宿」「元町こども」の4館を2024年度末に閉館することを決めた。「中央」はいったん閉館し、近くに建設中の複合施設に「南部図書館」が建設される。「駅前」はフロアを拡大して新たに「中央図書館」として再編、「元町こども」の機能の一部も取り込むという。この結果市立図書館は2館体制となる。

 市は2023年に図書館再編の基本方針を打ち出し、2024年1月のパブリックコメントで意見を募集したが意見は出なかったとして、3月の定例市議会で図書館再編の条例が成立した。

 これに対し、市民の中から「パブリックコメントでは閉館が明示されていなかった」「説明が不十分で、進め方が乱暴」などと反発の声が上がり、2024年3月から市民団体による閉館反対の署名活動が始まった。

 その後、11月から12月にかけて市民団体「住民投票で夢のある図書館を創るきよせの会」が閉館の是非を問う住民投票の実施を求める署名活動を展開。直接請求に必要な有権者の50分の1の6倍を超える7674筆が集まり、閉館の是非を問う住民投票を行う条例案を提出した。

 この問題はこれまでの市議会や報道でたびたび取り上げられ、市側は「インターネットを通じて貸し出し注文を受け、無料で宅配する新たな取り組みをする。閉鎖対象の図書館も機能を別の図書館に移転・再編するなど、全体としてサービスが低下するわけではない」と説明してきた。

 しかし「本を借りるだけが図書館の役割ではない」「特にこども図書館は子育てにも大きな役割を果たしており影響は大きい」などと反発の声が高まっているという。

 「きよせの会」の関根美保子共同代表は「署名活動への反応がすごく大きく、進んで協力してくれる姿が目立った。市政に対して市民が日ごろ感じてる疑問や不満が呼び覚まされた面もあるのではないか。市は経費削減が目的ではないと認めているのになぜこんなに急いでごり押しするのか分からない」と話している。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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