小平市長選出馬を表明した松岡篤氏(3月9日、小平市小川町の後援会事務所)

 任期満了に伴う4月6日投開票(3月30日告示)の小平市長選で、同市議会議長の松岡篤氏(39)が3月9日、同市小川町の後援会事務所で会見し、無所属で立候補することを表明した。松岡氏は議会で自民党会派の政和会に属しているが、政党からの推薦・支持は受けず、近く自民党を離党する意向を示した。同市長選への立候補は現職の小林洋子氏に次いで2人目。

 松岡氏はまず現市政に対し、「小平市の大きな可能性と伸びしろを十分に生かしきれていない」と指摘。見直し策として▽整備費が44億円から104億円、さらに120億円に膨らむ可能性のある中央エリアの公共施設建て替え計画の白紙撤回▽教育予算を10%から20%へ増額▽200人以上の「潜在的待機児童」をゼロに▽市役所の評価制度を減点主義から加点主義にシフト▽個人市民税、法人市民税の10%削減――の5点を挙げ、「時代に合わせて政策をアップデートし、市民の声を聞いて日本で一番市民に近い市長を目指す」と抱負を述べた。

 東京都出身。明治学院大卒、一橋大学大学院修了。人材サービス会社を経て2015年、小平市議選に初当選(現在3期目)。17年に小平市長選に自民推薦の無所属新人として出馬し落選。21年、全国最年少で市議会議長に就任し、23年に議長に再選された。

 自民党離党への経緯については、2月14日の自民党小平総支部役員会に小林洋子氏の陣営幹部が出席し、小林氏への応援を要請。議論は紛糾したが、採決の結果、同支部は小林氏の応援を決定した。決定を受けて同支部は松岡氏が市長選に出馬する場合、自民党を離党するよう勧告。松岡氏は「予算委員会中に離党すると議会を混乱させるので、離党申請はしていない。このため除名申請されると認識している。組織が決めたことには従うが、(自民党の対応には)納得していないし困惑している」と話した。

 小林氏は2021年の市長選で立憲民主、共産、国民民主などの推薦を得て無所属で出馬し、自民、公明推薦の無所属候補を破って初当選。昨年12月の出馬会見では「今回はオールフラットで(どの政党とも)等間隔の距離感で話をしていきたい」と政党の推薦・支持は受けずに無所属で再選を目指すことを表明していた。これについて松岡氏は「言っていることとやっていることが矛盾している」と批判した。

 松岡氏は3月10日に議員辞職願いを提出。これに伴って小平市議会議員補欠選挙(被選挙数1)も市長選と同時に告示、投開票される。

▼3月13日に、本会議最終日(3月27日)まで議員辞職が議会で許可されないことが決まったため、市議補選は行われないことになりました。

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

2 thoughts on “小平市長選、市議会議長の松岡篤氏が出馬表明 公共施設計画の白紙撤回争点に ”
  1. 小平市も課題が山積みです。市長の役割はもちろん重要ですが、市役所職員のユデガエル意識が変わらないと、行政施策を変えられないと思います。市役所職員を活性化できる市長を望みます。

  2. 小平市は一方通行の広報のためか、市の課題を認識していない市民が多いように感じますし、市外で仕事をしているサラリーマン市民は特にその傾向があるように思います。市役所職員と市民が意見交換しながら地域課題に取り組むことが理想で、お互いのためになると思いますので、そのような状況を作り出せる人が市長になることを望みます。

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