日本と中国を中心に世界のアニメ文化の交流と新たな才能の発掘を目指す「日中国際アニメ映画祭」(JCIAFF2026)が5月28日から31日の4日間、埼玉県所沢市のところざわサクラタウンなどで初開催される。両国間の緊張が高まる中、公式ホームページには2月に入って「日中関係が困難を抱えているいまこそ、若者を中心とした文化交流が必要」とするメッセージが掲載された。
世界を席巻する日本のアニメとともに、最近は中国アニメでAI技術の活用が急速に進んでいる。映画祭は日中両国が連携し、アニメの芸術面、産業面の発展のため製作現場を担う次世代が自由に交流できる場を目指す。
主催は角川文化振興財団。会場はところざわサクラタウン、角川武蔵野ミュージアム、T・ジョイ エミテラス所沢などを予定している。所沢は多数のアニメスタジオが存在する西武鉄道沿線にあり、ところざわサクラタウンは日本最大級のポップカルチャーの発信拠点でもある。チェアマンに元文化庁長官で元東京芸術大学学長の宮田亮平氏、バイスチェアマンには映画「さらば、わが愛/覇王別姫」(カンヌ映画祭パルムドール受賞)や「キングダム」などを手掛けた映画プロデューサーの高秀蘭氏が就任した。
昨年12月に名古屋市で「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」、今年2月20日からは新潟市で「第4回新潟国際アニメーション映画祭」など各地で国際アニメ映画祭の開催が相次いでいる。日中国際アニメ映画祭は今後、東京国際映画祭と連携しながら「実写は東京、アニメは所沢」として知られるように所沢を「アニメの国際都市」としてアピールする。
映画祭の開催は昨年7月に記者発表されたが、11月の高市首相「台湾有事発言」に端を発した日中関係の悪化から、映画祭の開催を案じる声や問い合わせが多数寄せられた。これに対してチェアマンの宮田氏は「日中関係の現状と日中国際アニメ映画祭について」と題して、2月2日付けで「現在のように日中関係が困難を抱えているいまこそ、若者を中心とした文化交流が必要とされます。過去に幾度かあった危機も、市民レベルでの交流がそれを乗り越える大きな原動力となってきました。そう考えますと、両国の人々の未来にとって、本映画祭を予定通り開催することの意義はより大きくなったのではないでしょうか」と映画祭が日中の架け橋となることを表明するメッセージを公式ホームページに掲載した。
プログラムは優れた作品を選ぶコンペティションとイベントの2本立てとなる。コンペは長編アニメ部門(30分以上)、短編アニメ部門(5分~30分未満)、ショートショートアニメ部門(2分以上5分未満)、AIアニメ部門(2分以上・長さ制限なし)の4部門に分かれ、国籍や世代を問わず誰もが参加できる。
ショートショートアニメ部門では応募作品をウェブ上で公開し、一般視聴者の投票によってノミネート作品を決定するなど観客参加型の審査を取り入れる。製作過程にAI技術の活用が求められるAIアニメ部門は、新たな表現方法としてAIの可能性を探る実験的な場になることが期待されている。作品の応募受付期間は2月2日〜3月8日。
イベントは声優のライブ、コスプレショー、親子で楽しめるアニメ製作体験などのほか、生成AI時代のアニメ製作現場、声優の新ビジネス、著作権のありかたなど業界関係者の関心を集めるセミナーやシンポジウムを準備中という。
参考情報


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