清瀬「まつぼっくる」内のこいのぼり

 図書館と「夢空間」―3月の清瀬市長選で争点となった2つのシンボルがある清瀬市梅園の市立中央公園を絶好の行楽日和となった5月5日のこどもの日に訪れてみた。2月にオープンした南部図書館、児童館などの複合施設「まつぼっくる」には市民から寄せられた大きなこいのぼりが飾られ、5月2日からレストラン営業を開始した旧豪華列車「夢空間」では食事やお茶を楽しむ姿でにぎわった。一方、公園の片隅では廃止された旧中央図書館がすっかり解体されてがれきとなっていた。

 おしゃれなデザインで新築された「まつぼっくる」と現役時代そのままに復元された夢空間はやや地味なイメージの強い清瀬市の中では異彩を放っている。新施設を盛り上げようとさまざまな企画が用意され、朝から市民らが集まってきた。

 「まつぼっくる」では親子連れが壁に描かれたコイの体に子どもたちが次々と折り紙の魚を貼り付けていた。1日かけて大きなこいのぼりの絵を完成させるイベントだ。ほかにプロのカメラマンによる家族写真撮影会や「とばせる!こいのぼりヒコーキ」の工作会も開かれた。

 「まつぼっくる」の隣に置かれた「夢空間」はダイニングカーとラウンジカーの2両編成。ダイニングカーでは現役時代の復刻メニューを用意し、当分の間予約で満席という盛況ぶり。ラウンジカーは予約不要でドリンクや軽食が楽しめる。

 「今のところ、鉄道ファンを中心に市外からのお客さんが多いように思います。市民はちょっと様子見といったところかも」と営業担当者。スペシャルコース1万1000円など、やや敷居が高いのでは、と聞くと、「味やサービスには自信があるし、価格も一般のレストランに比べて決して高くはありません」ときっぱり。物珍しさが一段落した後が勝負といったところか。

 図書館再編問題にしても、2億2000万円といわれる費用をかけての「夢空間」復活にしても、前市長肝いりの政策が批判の的や市長選の争点となって、新施設のオープンを迎える市民は複雑な心境だろう。

 廃止された図書館の復活などを掲げた原田博美市長の「公約」は中央図書館の解体によってつまずく形になった。「何が本当に市民のためか」をめぐる考え方の相違を今後どう調整していくか、新市長のかじ取りを注視したい。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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