小平市天神町のデータセンター建設計画をめぐり、東京都が事業者に地域住民への情報開示や環境対策などを要請していたことが10月27日、分かった。建設地ではすでに新築工事に正式着工しており、住民が不信感を募らせる中、都は地域との円滑な対話に向け、小平市との協議を進めている。
計画をめぐっては火災や排熱、騒音など防災対策や生活環境への影響を懸念する住民の声が上がっており、松岡あつし都議(小平市選挙区)らが都に事業者への働きかけを求めていた。
東京都の都市整備局と環境局は10月9日、事業者DayOne Data Centers Japanに対し、(1)地域住民への情報開示と丁寧な説明(2)都のガイドラインを踏まえた住民との継続的な話し合い(3)建築物環境計画書制度などに基づく省エネルギーや再生可能エネルギーの活用など環境配慮の取り組み(4)非常用発電機や空調機など騒音、振動、ばい煙、排熱対策の実施と建築物環境計画書への記載――の4項目を要請。併せて具体的な地域貢献策を検討するよう求めた。
今年3月に「まちと調和したデータセンターに向けたガイドライン」を策定した都は、小平市から事業者とのやりとりについて聴き取り、住民への情報提供に関して助言するなど市との協議を進めているという。小平市も住民の不安軽減に向けた7項目の要望書を事業者に提出している(関連記事)。
8月30日の工事内容の住民説明会では、参加者から計画に対する反発や疑問の声が相次ぎ、事業者側は「(10月1日からの)新築工事の実施について今日伺った声を預かり、検討のうえあらためて返答したい」と説明していた。
窓口業務を担うトーワ綜合システムによると、9月15日に建設地の隣接地と道路向かいの居住者宅を訪問し、新築工事について「当面は広域対象の説明会を控え、戸別訪問と資料配布を中心に実施していく」などとする回答書と工事資料を個別に配布した。また建設地から50メートル圏内の居住者宅にも投函したという。
建設現場ではすでに工事が本格化している。事業者の事前通告によると、10月20日には搬出入用の大型ダンプ25台が計4回、延べ100台出入りした。
住民らでつくる「環境と暮らしを考える会」(竹澤祐美子代表)が着工に関して問い合わせたところ、事業者側は10月22日、「既に確認申請も下付されておりますので、正式に新築工事として着手しております。並行して、かねてより着手しております準備作業も並行して進めております」との回答があったという。
これに対して竹澤代表は「9月以降、事業者に直接の回答を求めてきたが、十分な返答がないまま着工し、工事車両の通行も住民との話し合いなく始まった。事業者への不信感は募り、工事による事故も懸念している。誰もが住みたい街の環境を残すために、今後も住民の輪を広げたい。地域との共生を掲げるなら住民の声に真摯に向き合うべきだ。東京都と小平市には事業者へのいっそう強い働きかけを求めていく」と話している。
同会は11月3日と7日午後2時から、小平第二小学校体育館で工事内容に関する学習会を開く予定。
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