小平市は食材費の価格高騰などを理由に、2024年4月から公立小・中学校の給食費を19.5%増額する。同市は当初予算に増額分を全額補助する予算を盛り込み、保護者負担を一定期間軽減する緩和措置を取る見込みだ。
同市の1日あたりの給食費は2024年1月現在、小学校低学年=236円、中学年=250円、高学年=265円、中学校全学年=300円で、来年度から全体で19.5%増額するとしている。
給食費の増額による保護者負担を軽減する経過措置として、2024〜25年度は増額分を全額、2026年度は半額を同市が補助する計画で、2024年度の当初予算に1億3069万円を計上した。2027年度からは全額が保護者負担となる。
一方、東京都は2024年度の当初予算案で、区市町村が支援する公立小中学校の給食費の2分の1を補助する「東京都公立学校給食費負担軽減事業」に239億円を計上する。
これを受け都内では、23区すべてが給食費の完全無料化を実施するなど、無償化の流れが鮮明だ。多摩地域でも26市のうち、八王子市、府中市、調布市、西東京市、三鷹市、国立市、立川市、武蔵野市、青梅市、昭島市、狛江市、福生市の12市が無償化の方針を打ち出す。
こうした中、財政面などを理由に多摩地域でも格差が生まれている。
2024年度から無償化する西東京市に対し、近隣の東久留米市は無償化を実施せず、小平市は公立小中学校に通う第3子以降の子どもの給食費を無償化する限定的なものにとどまる。
完全無償化できない理由について、小平市の青木由美子教育長は「学校給食費の完全無償化は、東京都から半額の補助を受けても年間約4億円が必要。これを継続的に実施するのは簡単なことではない」と説明した。
一部市議からは「小林洋子市長は元々、公立小中学校の給食費無償化を公約にしていた。(給食費の増額は)公約に逆行しているのではないか」と疑問の声がある。
2月27日に開かれた定例会議で代表質問に立った中江美和議員(フォーラム小平)は、「(多摩地域の)12市が給食費の無償化を当初予算案で実現する中、地域による不公平感を子どもたちにどう説明するのか」と疑問を投げかけた。
【関連情報】
・小平市(HP)