小平市の社会福祉法人「ときわ会」が運営する障害者福祉施設で利用者らが職員から虐待を受けていた問題で、小平警察署が利用者の股間をつかむ行為を行っていた同法人の元理事を強制わいせつの疑いで書類送検していたことが7月3日分かった。元理事は「わいせつ目的ではない」と容疑を一部否認しているという。
被害を受けたとされるのは、知的障害などがある30代の男性利用者。保護者によると、2020年から21年にかけて当時、施設の作業所副所長だった男性理事=2023年9月に解任、その後、懲戒解雇=は男性利用者に股間をつかむ行為を繰り返した。
2023年6月に職員から保護者への通報で事態が発覚し、保護者は法人側に真相究明を求めるとともに、小平署に被害届を提出。同署から保護者への説明によると、同署は強制わいせつ容疑で元理事を6月6日付けで東京地検立川支部に書類送検した。元理事は「(股間をつかむ行為は)認めるが、わいせつ目的ではない」と容疑を一部否認しているという。
男性利用者が住む東久留米市は、虐待通報を受けて調査した結果、23年12月、元理事が男性利用者の「行動を抑制するため睾丸を握る行為を複数回行っていた」「頭をげんこつで叩いた」ことを虐待行為として認定した。
書類送検に関するはなこタイムスの取材に対して、ときわ会は7月2日までにコメントはなく、小平署は「個別の事件の捜査についてはお答えを差し控えます」としている。
保護者は「周りも虐待を見ていたにもかかわらず、組織ぐるみで隠していた。ここまで放置した所轄官庁の小平市の責任も大きい。厳しく対処してほしい」と話している。

小平市内で通所事業所やグループホームなど13施設を運営するこの法人では2023年10月、複数の施設で役員ら職員による知的障害者らに対する暴行や暴言、ネグレクトなどの虐待が長期間続いていたことが表面化した。暴行や暴言の一部を複数の関係治体が虐待と認定し、市議会や全員協議会で運営体制の問題点が指摘された。ときわ会が設置した第三者委員会は2024年1月に調査報告書を公表し、運営体制の見直しや身体拘束の廃止などについて提言した。
ときわ会のホームページによると、同会は1973年「障害者の権利を守り生活の向上をめざす小平の会」として発足。78年に認可され、知的障害や肢体障害、精神障害がある障害者が生活する場、働く場を提供するなどしている。
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