小平市立小・中学校の子どもたちが校区の「人権標語」を作る「児童会・生徒会サミット」が6月8日午後、小平市福祉会館で開かれた。午前中には全小中学校の約500学級で学級活動の授業を保護者らに公開。市がこの日を「こだいら特別活動の日」と定め、「自分も他人も大切にできる学級づくり」を目指して初めて実施した。(カバー写真:人権標語を作るために話し合う子どもたち)

 学校は今、いじめや不登校などさまざまな問題を抱えている。サミットは問題を未然に防ぐため、生徒会や学校行事などの特別活動を通じて子どもたちの自主的・実践的態度を育てようと市教育委員会が主催した。同様の試みは板橋区などが実践している。

 この日は、まず市内19小学校、8中学校の児童会・生徒会の代表が「感謝の気持を伝える」「偏見だけで決めない」など校内でまとめた「大切にしたいキーワード」をそれぞれ発表した。8中学校区ごとに分かれて、保護者や関係者が見守る中、キーワードを基に話し合い、「友情を深めるためにお互いを価値ある存在として認め合い助け合おう」「十人十色の個性を認め合う 人と違うのは恥じゃない!」といった標語にまとめて報告した。

 ある中学生は「うまくいくかという不安と緊張が話し合いをするうちにより良い学校に変えたいという一体感に変わった」と振り返った。

 サミットの様子は全教員が視聴できるようオンライン中継された。青木由美子教育長は子どもたちに「ここで決まった標語を学校に持ち帰ってぜひ全員に伝えてください。そして具体的な取り組みについて話し合い、みんなで実行してください」と呼び掛けた。

 8つの人権標語は市役所1階のエレベーターホールに掲載される。「こだいら特別活動の日」は今回の成果を踏まえて来年度以降も実施するという。

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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