練馬区の漫画家、山川直人さん(61)と西東京市のイラストレーター保光敏将さん(56)が、2011年に創刊した同人誌「サイコロ」が、13冊目になった。版画やエッセイ、写真などを寄せる仲間も増えたのを機に、寄稿作家6人の原画作品などを持ち寄った展覧会を企画。「同人誌『サイコロ』展 歩いたり喋(しゃべ)ったり」を、小平市内のギャラリーで開いている。(カバー写真:山川直人さん)

 編集発行人の山川さんは、高校時代から同人誌を発行しながら、独学で漫画家を目指し、現在はビッグコミックオリジナル増刊(小学館)で、音楽喫茶のマスターを主人公にした漫画作品「ほらあなレコード」を連載中。山川さんは、1940年に刊行された太宰治の短編小説集「皮膚と心」の中の一編を漫画にした作品をサイコロ最新号に掲載。その原画作品を出展している。

 書籍の表紙や雑誌の挿絵を描いている保光さんは、ふるさと広島の心象風景でもある瀬戸内の島々を黒墨で表現した版画作品などを出展。

 雑誌名の「サイコロ」は、「でたとこ勝負。行き当たりばったり」から名付けた。80部で振り出した小さな「サイコロ」は、発行部数500部ほどになり、各地で活動する作家たちから、自由な文章やイラスト、写真などが寄せられる。山川さんは、「職種も活動拠点もバラバラな仲間が、皆それぞれ生活している記録でもある」と話す。息を吹き込まれた作品たちが、冊子のページから飛び出してきたような展覧会だ。サイコロの最新号=900円(税別)やバックナンバーも展示、販売する。

 小平市たかの台36-4のアドバルーン商会で6月23日まで。午前11時〜午後6時(18日は休み。23日は午後5時まで)

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By 吉井亨

元新聞記者 東京、北海道、九州のほか、群馬を除く関東5県などで取材。卒業後は日本語教師も。

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