盛夏の夜を彩る第19 回「小平グリーンロード灯りまつり」が8月3日催され、狭山・境緑道を中心とした公園や広場に地口と挿し絵を描いた手作りの灯籠(とうろう)約3000基が並んだ。(カバー写真:たけのこ公園)
地口とは「着た切り雀」(舌切り雀)」など成句やことわざをもじった庶民の言葉遊び。地口に合わせた挿し絵を描いた行灯(あんどん)は「地口行灯」と呼ばれ、江戸時代に始まって市中から多摩地域にも広がった。
小平では神社の祭礼で参道や家先に飾る風習が残っていたが、時代とともに姿を消しつつあった。伝統の文化を後世に伝えようと、学校の授業や木工教室で作った灯籠を持ち寄る「灯りまつり」が始まり、今では市外からも見物客が訪れる夏の風物詩となった。
灯籠が置かれたのは天神じゃぶじゃぶ公園や小平中央公園など市内14カ所。夕刻から灯籠の中の水に浮かべたロウソクに明かりが次々灯され、出店が立ち並ぶ駅前や公園は浴衣姿の子どもや家族連れで大にぎわいとなった。
今年は例年よりも灯籠の数が少なめだったが、灯りを使ったさまざまなオブジェが幻想的な光景を浮かび上がらせた。たけのこ公園では竹林が鮮やかにライトアップされた。武蔵野美術大学の学生が制作した影絵の展示物は写真撮影の人気スポットに。熊野宮では線香花火大会が開かれ、繊細な火花が次々に闇に浮かんだ。
小平ふるさと村では「鈴木ばやし」に合わせて踊るおかめや道化に子どもたちが大喜び。「一男去ってまた一男(一難去ってまた一難)」「鳥を見たらドローンと思え(人を見たら泥棒と思え)」など遊び心に富む地口行灯が人々を楽しませていた。
【参考情報】
・小平グリーンロード灯りまつり(小平市)