清瀬ひまわりフェスティバル(7月28日)

 東京都内最大級、10万本のひまわりが咲き誇る清瀬市の真夏のイベント「ひまわりフェスティバル」が7月26日から8月3日まで開かれ、来場者は約3万4000人に上った。新型コロナウイルス感染症による3年間の中止から復活して3回目で、開催日が1日少なかった2024年の3万1500人から増加した。

 同市下清戸にある約2万4000平方メートルの農地には、次の作付けのための緑肥(肥料)用にひまわりが植えられ、夏に一斉に開花して美しい風景をつくる。農業と観光を結合させて地域活性化をと、地元ボランティア団体「清瀬市農ある風景を守る会」が主催して2008年、「ひまわりフェスティバル」がスタートした。

 前年に続いての猛暑が心配され、気分が悪くなって救護所で休む人などは出たが、救急搬送はゼロ。ミストシャワーや散水、通路からの照り返しを和らげるためウッドチップをまくなどの工夫が功を奏した。

 今回はさらに期間に合わせて連携イベントを企画。例えば「BARきよ飲み!!」では、ひまわりフェスティバル会場で割引チケット(2500円)を買って、帰りに清瀬駅周辺の実施店舗でフードとドリンクが楽しめる。そのほか清瀬駅北口、南口の商店街の祭りを期間中に合わせたり、地元産の花や野菜を販売する「夕市」を開いたりと盛り上げを図った。

 フェスティバルの会場はあくまでも一般の農地で、運営はボランティア中心で入場無料の客をさばくという難しさから、さまざまなトラブル防止には課題は残るが、清瀬の象徴イベントとして定着した。

 ひまわり畑の農地では、2024年冬から牧草や大麦の栽培を拡大した。地元の5軒の酪農家に餌として供給し、牛の堆肥は畑の肥料として利用できる。飼料や肥料の高騰対策にもなる。清瀬市の担当者は「美しいひまわりを見て楽しむイベントから、地域内での循環社会実現へのアピールにもつなげたい」と話している。

お土産手にシャトルバスから降り立つ(清瀬駅前)
連携イベントのポスター

Loading

By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です