デジタルデバイド対策の実証実験に関する協定を締結した渡部尚東村山市長(左)と國分孝夫ジェイコム東京社長(10月21日、東村山市役所)

 高齢者がスマートフォンの操作に戸惑うなどのデジタルデバイド(情報格差)解消を目指して東村山市と、ケーブルテレビ事業などを手掛けるJ:COM(ジェイコム)東京(練馬区)が10月21日、スマホ操作方法について無料で遠隔相談に応じる無人ブースを同市役所内に設置する実証実験に関する協定を締結した。

 今年11月1日から2025年3月31日までの間、1階市民ロビーの一角に設置する「J:COMオンラインお困りごと相談室」のテーブルには「どの携帯会社でもOK スマートフォンの操作説明」と案内書きがあり、ヘッドホンを装着し、タブレットでオンライン画面を共有しながら専門オペレーターがLINE、SNSの使い方、メールの送受信、カメラ撮影方法などの基本操作や端末購入後の初期設定を1人あたり30分程度で説明する。

 音声での問い合わせやタブレット不具合の場合に備えて受話器で直通電話もできる。また東村山市の地域通貨「アインPay」のインストールも説明する。平日の10時から17時まで利用可能。同社によると、これまでに西東京市の公共施設「J:COMコール田無」に設置されているが、市役所内では初という。

 渡部尚・東村山市長は締結式のあいさつで「急速なデジタル化が進む中で、高齢者を中心にスマホさえ保有していない市民が相当いる。市役所に来なくてもさまざまな手続きや相談ができるというのが最終目標でデジタルデバイド解消に取り組んでいる。市役所内にJ:COM のブースを置くのはどうかという議論もあったが、直接的な営業活動ではなく、あくまでも市民サービスの一環と判断した」と話した。

 國分孝夫・ジェイコム東京社長は「この実証実験を2025年度以降も生かして東村山市の取り組みをお手伝いしたい。またこの結果をもとに設置拡大も考えたい」と話している。

【関連情報】
・遠隔相談無人ブースを市役所に!デジタルデバイド対策にスマホ操作方法の遠隔相談無人ブースの設置実証実験に関する協定を締結します。(東村山市

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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