鷹の台駅

 西武鉄道は3月25日から国分寺線・鷹の台駅(小平市たかの台)をはじめ西武線11駅の窓口対応を順次終了し、駅係員を常駐させずにインターホンで利用客に対応する「遠隔対応駅」に変更する。労働力不足が今後も見込まれるための措置という。

 対象となるのは▽拝島線の東大和市、武蔵砂川、西武立川、国分寺線の鷹の台、恋ヶ窪(3月25日から)▽新宿線の新狭山、南大塚(3月27日から)▽池袋線の西所沢、狭山ヶ丘、狭山線の下山口、西武球場前(4月1日から)の計11駅で、それぞれ初電車から切り替わる。

 各駅では係員がオープンカウンターで乗車券類の発売・精算・案内などをする窓口業務を廃止。「窓口対応を専属的に担う係員は配置しないが、駅構内には一部の時間を除いて係員を配置する。配置する時間帯についてはセキュリティーなどの関係上、公開していない」(西武鉄道広報部)としている。

 残高不足以外で入出場できない場合などトラブル発生時は、構内に複数台設置するモニター付きインターホンの「よびだしボタン」を押して交通系ICや切符を示せば、必要に応じて対象駅の係員か近隣駅の係員が対応する。対応する駅係員の映像は基本的にモニターには映さない。

 車椅子使用者など乗降車時に手伝いを要する場合は、事前に希望の乗降駅と時間を「西武鉄道お客さまセンター」(電話0570-005-712、午前9時〜午後5時)に連絡するか、急な場合はインターホンを通じて駅係員に伝える。

 新規通学定期乗車券は自動券売機で定期購入乗車券を購入のうえ定期乗車券発売駅へ。特急券・座席指定券は近くの発売駅で購入するか、西武鉄道チケットレスサービス「Smooz」の利用で乗車できる。 

 西武線では2023年3月から5駅を駅係員が常駐せず定期的に巡回する「巡回駅」に変更。24年には6駅をインターホンで対応する「遠隔対応駅」に切り替えた。今回、遠隔対応駅となる11駅のうち鷹の台駅は1日平均の乗降人員が約24000人。近くに津田塾大学など複数の大学があり、多くの学生が利用している。インターホンは改札内と改札外、自動券売機付近への設置を予定している。

 西武鉄道広報部は営業体制変更の背景について「少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少しており、労働力不足が加速していくことが見込まれる中で、鉄道事業を安定的に持続させるため、利用状況を考慮して決めた。今後も全体の利用状況を見ながら体制の変更を勘案していく」と説明している。

関連情報:
一部の駅における営業体制の変更について(西武鉄道)

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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