東村山市議会は6月定例会初日の5月30日、議長、副議長の選出を行い、議長に野党「草の根市民クラブ」の朝木直子氏、副議長に無所属の佐藤まさたか氏を選出した。同市議会の議長に女性が就任するのは初めて。
前回2023年の市議選で得た各会派の議席数は自民6、公明6、共産4、立憲民主2、草の根市民クラブ2、無所属5の計25だが、自民の1人が都議選出馬をにらんで3月に辞任したため総数24、自民・公明の与党が計11となっていた。
任期の折り返しとなるこの時期に議長・副議長が交代する慣例に従って改選が行われ、与党が議長に石橋光明氏(公明)、副議長に小林美緒氏(自民)を推した。一方、野党系は「自民、公明によるなれ合い運営を打破する」として結束、朝木、佐藤両氏に投票した。採決の結果、議長は13対11で朝木氏、副議長は13対10(白票1)で佐藤氏が当選した。
朝木氏は「公平、公正、民主的な議会運営に努めてゆく」と就任あいさつ。佐藤氏は「市民福祉向上のため、多様な視点を踏まえて活発な議論をし、より良い答えのために合意形成に努めて信頼される議会にしていきたい」と述べた。
同市議会のホームページなどによると、1988年以降議長は自民か公明の会派から選出され、それ以前も野党系の市議が議長になることはなかったとみられる。
朝木氏は57歳。母親の朝木明代元市議が1995年に東村山市内のビルから転落死した原因をめぐってさまざまな訴訟が争われた。草の根市民クラブは明代氏らの時代から市の行政や他会派への厳しい姿勢で知られており、今後の市議会のかじ取りが注目される。

