立候補予定者の公開討論会(6月7日、小平市中央公民館)

 6月13 日告示、22日投開票の東京都議選を前に小平市選挙区(定数2人)で立候補を予定している4人の公開討論会が6月7日夜、小平市中央公民館で開かれ、東京都と小平市が抱える課題についてそれぞれの政策を訴えた。

 主催は小平市の市民団体「政治・知りたい、確かめ隊」(森野やよい代表)。討論会は聴衆を前に4人が立候補の動機と抱負を述べた後、主催者が用意したテーマ「物価高対策」「多摩格差」「都市計画道路」「緑地整備」と、会場から挙がった「都市農業」「都道建設の必要性」「英語スピーキンググテスト」「データセンター建設」について自らの考えを述べた(以下、五十音順)。

 自民党現職の磯山亮氏は愛知県出身。松本洋平衆議院議員秘書を経て小平市議を3期務めた。2021年の小平市長選で現市長の小林洋子氏に敗れ、同年の都議選で58年ぶりの無投票で初当選した。「防災対策や子育て・教育への投資、AIなど最新技術の向上などを通して東京を世界一の都市にする。そのために現役世代への支援を充実させ、インフラ整備と街のにぎわいを通じて税収を確保したい」と語った。    

 再生の道新人の大塚貴一氏は福岡市出身。外資系IT企業、ベンチャー企業、海外での起業を経て、都内で健康をサポートする企業を経営。少年期に非行に走った経験を基に小平市で保護司として活動している。「ビジネスでは限られた予算で最大の成果が求められる。ビジネスで培った能力を生かして、無駄な歳出を減らし、感情や利害に左右されずに数字と実効性に基づいた都政を目指したい」と話した。

 立憲民主党現職の竹井庸子氏は滋賀県出身。日本電信電話(NTT)勤務を経て小平市議を2期務めた後、2021年都議選に初当選した。「都議の6割は小池与党で健全な議論ができていない。格差と分断が拡大する社会で〝稼ぐ東京〟という言葉に象徴される経済一辺倒の政策ではなく、一人ひとりの生活を支えることを通して多様性が尊重される東京都の魅力を維持、発展させていきたい」と訴えた。

 都民ファーストの会新人の松岡篤氏は東京都出身。人材サービス会社を経て小平市議選に自民公認で3回当選。2017年、25年の小平市長選に出馬。25年では自民を離れて無所属として出馬し、小林氏に敗れた。「小平市はその豊かな可能性をまだ生かしきれていない。課題解決にはどれだけ都の知恵と財源、人材を小平に引っ張ってくるかが勝負。小池知事に直接話をして実現していきたい」と語った。

 小平市に特化した政策として関心を集めたのは、玉川上水を分断する都市計画道路3・2・8号府中所沢線(1963年計画決定)などの道路行政。4人とも地域住民との合意形成を前提としながら整備の必要性を訴えた。

 そのうえで「小平市では8割の土地収用が終わっているが、玉川上水との交差地点については協議する場が必要」(磯山氏)、「計画当時とは人口動態、都市構造、環境意識が大きく変わっている。計画内容は現状に応じて柔軟に見直すべき」(大塚氏)、「次々に代わる都の担当者は現地で今の道路事情を見て、推進・見直しを含めて取り組んでほしい」(竹井氏)、「協議と情報公開、地域の安全・安心、環境との両立が不可欠」(松岡氏)とそれぞれの見解を述べた。

 討論会の録画動画は後日、YouTubeで配信する予定。

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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