小平市は市内の小学校3校で始業前の早朝に学校の施設を開放して児童を受け入れる取り組みを9月から試行的に実施する。事業費を盛り込んだ補正予算案を6月3日に始まった同市議会定例会に提出。小学校に入学した子どもが朝の居場所に困る「朝の小1の壁」解消を目指す。
子どもが保育所から小学校に上がる際、登校時間が保育所より30分から1時間遅くなり、共働き家庭や一人親家庭で子どもが留守番をせざるをえなくなったり親の働き方に影響が出たりする。それまで可能だった仕事と子育ての両立が難しくなることから「朝の小1の壁」問題として、国は全国の自治体に対策を図るよう求めている。早朝の学校開放は、近隣ではすでに八王子市や三鷹市、調布市、昭島市などで試行を含めて実施している。
小平市内に市立小学校は計19校あり、登校時間は各学校によって異なるが、子どもらは午前8時半ごろの始業に合わせて教室入りする。早朝開放を試行実施するモデル校は第五小学校、学園東小学校、上宿小学校の3校で、それぞれ市の東部、中央部、西部に位置する。地域学習支援課や財政課によると、平日の午前7時に児童が出入りする校舎の昇降口を解錠するなどして教室などに児童を受け入れ、子どもの居場所をつくる予定。
予算額約360万円のうち約170万円は都の補助を得て、民間の見守り員2人を各校に配置する。今年9月から来年3月末まで試行し、成果や課題を検証したうえで「来年度以降も拡大するよう検討していきたい」(小林洋子市長)としている。