東日本大震災による東京電力福島第1原発事故からもうすぐ13年―。福島県産食品に対す風評被害はいまだに克服されず、一部の国では輸入禁止や規制措置が続けられている。

そんな中で、福島県の復興支援を続けて来た外国人の市民グループがある。東久留米市にある「福島県の復興を支援する東久留米在住外国人の会」だ。

会長のソービ・トーマス・アブラハム(61)さんは、原発事故直後から復興へと歩む福島県の実情を日本と世界に伝え、風評被害をなくしたいとの思いを抱き続けてきた。そして5年前の7月、東久留米市福島県人会の協力も得て外国人の会を立ち上げた。

インド料理店の前で募金箱を持つアブラハムさん

アブラハムさんは、インド南部ケララ州の出身で40年前にキリスト教の宣教師として来日、8年前にインド料理店、2年前にカフェを始めた実業家でもある。

東久留米市にはインターナショナルスクール「クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン」(CAJ)があり、市内に住む外国人も多い。アブラハムさんは店を利用する友人、知人の外国人に機会あるごとに福島県復興支援を呼び掛けてきた。その結果、今では会員は約60人になった。国籍は米国、オーストラリアなどの英語圏、韓国など10か国以上にわたる。

アブラハムさんは、自分の店で福島県産の野菜や果物、加工品の展示販売などをしてきた。インド料理店で使うコメは福島県会津産のコシヒカリ。ライスを提供していなかったカフェでも、利用者からのライスを食べたいとの要望に応え、新年から会津産コシヒカリを使う。福祉施設にも会津産コシヒカリを無償で提供していて喜ばれている。

外国人の会としては、これまで1泊2日の福島訪問バスツアーを実施、果樹園でのリンゴ狩りや田んぼや畑での援農体験、農家に泊まっての地元農民との交流などで、福島県の農業と農産物の安全・安心について外国人の理解を深めてきた。

順調だった外国人会の活動を直撃したのが新型コロナウィルスの感染拡大。2020年8月に福島県の農業の現状を知るための講演会を開いたのを最後に、この4年間は活動自粛に追い込まれた。

アブラハムさんは「4年間のブランクがあるので、外国人会の活動はすぐに再開できない。まず、自分の店でできることから始める」として、考えたのが毎月11日を「福島の日」(フクシマデー)にして営業することだ。ネーミングには、東日本大震災と原発事故を忘れない、福島県の復興支援を続けるという意味が込められている。

インド料理店、カフェともに年明けの営業は4日からだが、まず、両店舗内に「福島復興支援募金」の募金箱を置く。毎月11日の「福島の日」は両店舗が1か月交代で実施し、売り上げの一部はカンパとして年末に集計し、募金で集まったお金と合わせて福島県復興のために寄付する、というものだ。東日本大震災の起きた3月11日は、インド料理店では特別に1日限定で全品10%オフにする予定だ。

「飲食店を経営しているので、福島県産の食材を使うことで復興支援につなげたい。今後はコメだけでなく野菜も使いたい」とアブラハムさん。店内での福島県産品の展示販売の再開も検討中だ。

インド料理店とカフェがあるビル = 西武池袋線東久留米駅東口ロータリー

 せっかくの機会なので、アブラハムさんが経営する2店舗のうち、インド料理店を紹介したい。

店の名前はルチラ(Ruchira)。サンスクリット語で美味しい、心地よい、善いなどの意味を併せ持った言葉で「五感が十分満足する」ことを表している。

アブラハムさんは「本当のインド料理を日本人に食べてほしい、ここでしか味わえない料理を」との思いで始めた。明るく清潔な店内、内装や調度品はわざわざインドから調達したもので、高級レストランの雰囲気が漂う。イスやテーブルもゆったりしていて落ち着いて食事ができると好評だ。

日本人の嗜好に合わせてはいるが、スパイスがよく効いた本格的なインド料理だ。保存料や着色料などの食品添加物は使わない。ビーガン(完全菜食主義者)、子供、食物アレルギーを持つ人にも対応したメニューも用意できる。テイクアウトもできる。Wi-Fiも使用可。

リピーターでサポーターだという大寺玲子さん(71)は「ルチラで本物のインド料理を知った気がする。日本ではここでしか食べられない料理もある。もう他のお店には行く気がしない」と大絶賛だ。

インド料理店とカフェは、西武池袋線東久留米駅東口ロータリーに面したビルの2階にある。

【店舗概要】
店舗  :ルチラ(Ruchira)
営業時間:11:00~14:30(L.O. 14:00)
     17:00~21:30(L.O. 21:00)
定休日 :水曜
住所  :東京都東久留米市新川町1丁目-3-6 セイジュプレイス2階
電話  :042-420-7358
サイト :https://ruchira.jp

店舗  :イーストサイドカフェ&ダイニング(East Side Cafe and Dining)
営業時間:9:00~21:00(L.O. 20:30)
定休日 :日曜
住所  :東京都東久留米市新川町1丁目-3-6 セイジュプレイス2階
電話  :042-420-5577
サイト :http://eastsidecafe.jp/#homepage

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By 鈴木信幸

1950年、福島県会津坂下町生まれ。元新聞記者。現在、フリージャーナリスト。1980~81年滝山団地、81~97年ひばりが丘団地に住む。西東京市在住。

One thought on “福島県の復興を支援する 東久留米在住外国人の会”
  1. 鈴木様 アサココの長田です。
        本日、14時ごろを目指してご紹介いただいた「ルチア」でご飯を食べてきたいと思います。

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