「ピザコーンをどうぞ」とチュニジア人店主

 外国人との共生が何かと話題になる中、9月20日、西東京市ひばりが丘3丁目の「ひばりテラス118」に隣接するけやき公園で、「東久留米国際交流まつり」が開かれ、多くの来場者が食べ物や工芸品などを通じて世界を身近に感じる体験を楽しんだ。

 2000年に設立され、5年ごとに周年行事を行う東久留米青年会議所が25周年を記念して主催するイベントのテーマは国際交流。今年度女性初の理事長に就任した望月恵さんは「異文化に対する理解と認識を深めることで、言語や生活・習慣の相違を超えた心と心のふれあいを大切にする」と就任に当たって抱負を述べていた。

 打ち続く猛暑が少し収まったこの日、雨あがりの公園に次々とキッチンカーがやって来た。「台湾カステラ」「オランダワッフル」「ナポリピザ」…。外国人出店者の姿も見えて国際色豊かな会場を訪れた人たちは興味津々で、まずはカラフルな車や看板を眺めながらひと回り。タープテントの下にレジャーシートを広げ、食事を楽しむ姿などがあちこちに見られた。

 「ピザコーン」を販売してした男性に「イタリアの方ですか」と尋ねると「チュニジアです。イタリアの隣」と返ってきた。以前はオフィスで働き、今は飲食業をしているといい、日本語は達者ながらも「ひらがなとかカタカナとか難しいね」。小さい子どもにとってはキッチンカーの外国人から「はい、どうぞ」と渡されるだけでも初めての異文化体験だ。

 ひばりテラス内では「キッズ英会話体験」「竹鈴つくりワークショップ」が行われ、「ウクライナ文化ブース」も設けられた。長崎にあるウクライナ手刺繍・伝統工芸の専門店「UA.Designer」が出店、刺繍を施した民族衣装、ハンドメイドの雑貨、ハーブティーなどが並んだ。

 ひと際目を引いたのが花や鳥、歴史や文化を描いた色鮮やかな手書きの「ペトリキウカ塗り」。実際にはなかなか行けないウクライナの文化を実感できるスペースだ。東久留米青年会議所が2024年、ウクライナのドニプロの青年会議所と友好関係を結んだ縁が実った。

 今回のイベントの実行委員長を務めた河村雄太さんは、「無事に開催にこぎつけてほっとしています」笑顔。入場無料のイベントながら、大抽選会の1等はテーマパークのペアチケットという豪華景品が当たる。主催者の1人小美野義一さんは「地域の皆さんと関わりながら活動することでメンバーが成長する。皆さんに還元したい」と思いを述べた。

会場に並んだカラフルなキッチンカー
目を引くウクライナの工芸品

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By 渡邉篤子

ひばりが丘在住約30年。音楽教室講師の傍ら公民館などで音楽講座の講師を務める。ひばりが丘でエリアマネジメントをする民間団体「まちにわひばりが丘」のボランティアチーム「まちにわ師」2期生。コミュニティーメディア「AERU」担当。

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