東村山市の全市民を対象に1人当たり4000円の現金を給付する「物価高対応家計応援金」を含む2025年度一般会計補正予算案が12月23日開かれた東村山市議会本会議で可決、成立した。来年3月上旬から金融機関への個人口座への振り込みを中心に給付が始まる見込み。論議になっている「おこめ券」は事務経費などの理由で採用されなかった。
臨時国会で予算成立した地方自治体に交付される「重点支援地方交付金」のうち食料品の物価高騰対策に対する特別加算分等を活用する。国は地方交付金を活用した物価高対策の早期執行を各自治体に求めている。
4000円とした根拠について同市は「国は住民1人当たり3000円程度の支援が行き届く規模感と示しているが、現在コメ一袋の平均価格が4000円を超えている状況であることも考慮して上乗せした」と説明した。
2026年1月1日の時点で住民登録している東村山全市民が給付対象で、15万3000人と見積もった。過去の給付金事業などで把握している世帯主の口座に振り込むほか、口座が把握されていない市民には郵送で通知し、申請してもらう方法などを取る。
現金以外の給付方法について渡部尚市長は「おこめ券は額面金額と実額の差があり、郵送料もかかることなどから難しいと考えた。デジタル通貨ポイントもまだ十分普及していない。今回まずはスピード感を優先した」と述べた。
また、国が定めた子育て世帯を対象に0歳から高校3年生相当年齢の子ども1人当たり2万円の「物価高対応子育て応援手当」を支給する事業についても補正予算に盛り込まれた。東村山市内の対象人数は2万3000人で、児童手当支給の方式などを活用して2月初旬から中旬を目標に現金を振り込むという。
渡部市長が12月定例会初日(12月1日)の所信表明で「応援金」支給方針を表明し、自身の交流サイト(SNS)でも発信したことから、市議会での議決前に既定の事実であるかのような印象を市民に与えたとして、この日の会議でも懸念の発言が相次いだ。渡部市長は「ミスリードしたとは考えないが、誤解を与えたことは申し訳ない」と述べた。
一方、小平市は「重点支援地方交付金」のうち食料品の物価高騰対策の「くらし応援給付金」について「お米以外の食料品の価格も高騰しており、各家庭で必要なものは異なる」として現金給付を決定。来年3月末までに第1回給付として全市民を対象に1人当たり3000円を支給することを12月定例会で議決した。
また0歳から高校3年生相当年齢の子ども1人当たり2万円を所得制限なしで支給する「物価高対応子育て応援手当」については、2月下旬から現金振り込みを始める。事業者支援については来年の3月定例会の補正予算で提案できるよう事業内容を検討する方針。

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