東村山駅開業130周年記念式典(10月18日、東村山市立中央公民館)

 東村山駅が開業130周年を迎えたのを祝い、西武鉄道の高架化をチャンスとしてまちづくりの機運を盛り上げようと10月18日、東村山市本町、東村山市立中央公民館で記念式典が開かれた。

 東村山駅は1895(明治28)年、川越鉄道の東村山停車場として開業した。その陰には地元からの資金や土地の提供をはじめとした熱心な誘致運動があった。大正時代には村山貯水池建設のための資材置き場や、市内にあるハンセン病療養所全生病院(現多磨全生園)への隔離患者輸送用の駅として利用された。

 昭和の高度経済成長期には東京のベッドタウンとして利用客が増大、それに伴って駅舎や駅前広場など周辺が拡充、整備された。平成時代には西口再開発が行われ、市内最高層のワンズタワーが完成した。

 西武新宿線、国分寺線、西武園線が発着し、1日平均4万5000人が乗降する東村山駅は現在高架化工事が進められており、2025年6月には西武新宿線下り線の高架化が完成、府中街道など平面交差する道路の渋滞が緩和された。2028年度には残る線区の高架化が完成する予定。駅東西の分断が解消され、高架下スペースの活用が可能となることから東村山市は西武鉄道と連携して駅周辺の総合的な活性化を目指している。

 記念式典であいさつした渡部尚・東村山市長は駅の北、中央、南の3エリアに分けてそれぞれの特色を生かしながら、高架下の活用や駅前広場の再整備を通じて新たなにぎわいを創出し、「出会いやふれあいがあってぶらぶらと歩いて楽しいまち」を実現するとの将来像を示した。

 式典では絵画コンテストで優秀、最優秀賞を獲得した小中学生の表彰や、市内で活動する諸団体の代表らによるシンポジウムが行われ、東村山の魅力や未来への希望を話し合った。また会場から東村山駅に続く道路には「駅からはじまるマーケット」と題してキッチンカーやテントが並び、多くの人でにぎわった。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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