12月14日に投開票日を迎える東久留米市長選挙の立候補予定者公開討論会が11月30日、同市内の成美教育文化会館で行われた。主催は東久留米青年会議所と地元ラジオ局のTOKYO854くるめラ。若者の政治的関心を高める目的で、市内にある自由学園の高校生が進行役を務めた。
出席したのは現職の富田竜馬氏と、新人のふるたに高子氏。討論会では「行政経験に裏打ちされた現実路線」と「市民対話を基点とする刷新路線」という路線の違いが鮮明に表れた。
富田氏は、市長4年、市議18年の経験を背景に、財政状況の厳しさを強調。経常収支比率95.3%という数字を示し、「自由に使えるお金は限られる」として、国や都の支援制度を活用した堅実な政策運営を打ち出した。またDXを使った効率的な市民参加や、事業者から市民まで幅広く支援する物価高騰対策をアピールし、「現実的で持続可能な市政」の継続を訴えた。
一方、ふるたに氏は29年間の福祉現場での経験を生かし、「市民の声に丁寧に向き合う政治」を掲げた。財政を“できない理由”とする考え方に疑問を呈し、資産や財政状況の再点検による新たな可能性を主張。計画段階から市民が関わるワークショップ型の政策づくりや、川の水質などを科学的に分析する「現状把握」から始める環境政策や、個々の生活課題に寄り添う姿勢を強調し、「声が届く市政」を前面に押し出した。
財政、環境、市民参加、物価高騰など、市民生活に直結するテーマで討論が行われ、それぞれの違いが明確となった。
この模様は東久留米青年会議所のYouTubeとTOKYO854くるめラのラジオで同時生中継され、現在はYouTubeのアーカイブで閲覧できる。


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