国立ハンセン病資料館(東村山市青葉町)はハンセン病患者、元患者の家族が受けた差別や偏見に初めて焦点を当てた特別企画「ハンセン病問題と家族」を1月24日から特別展と連続講座で展開している。
特別展は3月29日まで、同資料館1階ギャラリーで開かれ、4人のハンセン病家族訴訟原告による実名を公表しての証言を紹介している。
国の政策により多くのハンセン病患者とされた人々が強制的に隔離され、家族や地域社会から引き離されて人権を奪われる状況が長く続いたが、家族も人生のあらゆる場面で深刻な影響を及ぼすような差別を受けた。
家族たちは2016年、国家賠償を求めてハンセン病家族訴訟を起こし2019年熊本地裁で勝訴して判決が確定した。
家族訴訟原告団長の林力さんら4人の証言の内容は、家族がハンセン病患者であることを理由としたいじめ、いやがらせや交際拒否などの直接的な被害から家族関係の阻害、精神的苦痛に及び、それが長期にわたったことが生々しく表現されている。
同資料館の木村哲也学芸員は「大半の原告は差別を恐れて名前も顔も出さずに裁判に加わり、さらに裁判に加わることすらできなかった家族も多い。ハンセン病家族の問題は裁判や法律で解決したわけではなく、私たちの理解が不可欠だ」と話している。
映像ホールでの連続講座は3回で、日時、テーマ、講師などは以下の通り。
▽第1回 1月24日(土)「ハンセン病問題と家族訴訟」大槻倫子弁護士
▽第2回 2月7日(土)家族訴訟原告番号75番さんの講演とドキュメンタリー「ハンセン病と優生手術 70年経て見えてきた実態」(朝日新聞社)上映
▽第3回 2月21日(土)「ハンセン病問題と家族、そして私たち」内田博文・国立ハンセン病資料館館長
いずれも午後1時半から3時まで。
入場無料だが、連続講座は事前申し込みが必要で、問い合わせ先は電話042-396-2909。


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