早春の食卓を彩る食用ナバナ(菜花)が満開だ。

 いつもの散歩コース沿い、西東京市栄町にある約200坪の畑が黄一色に染まっている。満開の花からほんのりと甘い香りが漂って来る。

 散歩途中の人たちが足を止めてしばしたたずむ。花に鼻を近付けて匂い嗅ぐ人、スマホで撮影に夢中の人、人それぞれだが春の訪れを体感する喜びは共通だ。

 そんな人たちと畑を眺めながら、持ち主は「黙って採っていく人もいるが、売るために作っていないので」と微笑む。人をおおらかな気持ちにしてくれる昼下がりのひとときだった。

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By 鈴木信幸

1950年、福島県会津坂下町生まれ。元新聞記者。現在、フリージャーナリスト。1980~81年滝山団地、81~97年ひばりが丘団地に住む。西東京市在住。

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