清瀬旭が丘団地のレンタル・コミュニティスペース「ぷらっとあさひ」(清瀬市旭が丘2)は、3月2日に感謝祭を開催し、これまでの活動をまとめた資料の展示と報告を行った。同スペースは3月末で運営を終了した。(カバー写真:報告会の様子=柳瀬ゴローさん提供=)

 同スペースは、団地を管理する日本総合住生活株式会社(以下JS)の大学生を対象にした団地リノベーション企画、「JWU×HOUSEI×CHIBA×JS リノベーションコンペティション」で、2019年に最優秀賞を受賞した日本女子大学篠原研究室の学生の作品を、同社と大学が共同で団地内に設置したもの。

 2020年から団地住民への調査などの準備を行い2022年9月にオープン。同社と日本女子大が産学共同研究の一環として運営してきたが、産学共同研究の終了に伴い3月末で現体制での運営を終了した。

 4月からは別の運営体制で運用される予定だが、詳細はまだ明らかになっていない。

 同スペースは、有料のイベントスペース「きっかけヒロバ」と、常時開放された無料の「ぷらっとエリア」の2つで構成されていた。きっかけヒロバではイベントや講座などを日替わりで開催。ぷらっとエリアには机とイス、掲示板や展示スペースなどが設けられ、展示作品は販売も行っていた。

 両エリアを区切るように設置された格子状の陳列スペース「ヒトマス展示棚」には、団地住人の作品をはじめ、さまざまなハンドメイド作品が並んだ。作品発表や販売ができることから、創業して間もない作家の販売の場としても活用されていた。

 立ち上げから運営に携わった日本女子大学学術研究員の竹内光子さんは、常時開放された休憩スペースには日常的に人が集まり「おしゃべりしたり、一人で過ごす方が居たり、子どもたちが放課後に遊んだり勉強したり、様々な方にそれぞれの過ごし方で活用いただいた」と話した。

 「ゆるやかに繋がれる場と、無人で管理する共有スペースの実証実験だった。交流を生み出す場としては、利用者が主体的に活用してくれたおかげで、プラットフォームとしての役割を果たせたのではないか」とも。

 毎月開催のマルシェイベント「Natural LIFE Marché(ナチュラル・ライフ・マルシェ)」を主催した金田愛子さんは「販路の少ない創業間もない事業者でも販売できる場は貴重だった。無くなるのは惜しい」と振り返った。

 同マルシェは起業の後押しにも繋がった。市内の美容室に勤務しながら、マルシェでヘッドスパを提供していた佐伯美幸さんは、今年、代官山でサロンを開業した。「元々いつかは開業したいと夢見ていた。マルシェの出店が背中を押した」と話した。

By 笠原文彦

清瀬市在住。元出版社。地理、民俗、食文化に興味あり。

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