清瀬市郷土博物館(清瀬市上清戸2)で3月10日から、江戸〜昭和にかけて江戸東京の台所を支えた伝統野菜、江戸東京野菜について学ぶ連続講座「チャレンジ!江戸東京野菜講座」が始まった。
同講座は、清瀬市の市民団体「農でつながる・つなげる私たちの皆農宣言実行委員会」の主催で、座学による講座と堆肥・温床づくりから収穫までの農作業体験を合わせて全6回が予定されている(すでに定員に達していて募集は終了)。
講演では、長年にわたり江戸東京野菜の保存・復活の活動に取り組んできた、元JA東京中央会職員で江戸東京野菜コンシェルジュ協会会長の大竹道茂さんと、清瀬市郷土博物館学芸員の中野光将さんの2人が登壇。大竹さんは、現在52品目が登録されている江戸東京野菜が持つ特性や物語、復活や継承の取組み事例など紹介した。
同会代表の宮秋道男さんは「都市農業は消費者との連携なくして守れない。消費者が農業に興味を持つきっかけとして、江戸東京野菜に着目した。実際に栽培を行うなどして、都市農業への理解と農業に関わる人を増やしていければ」と呼びかけた。
練馬大根や谷中生姜、滝野川人参、小松菜などが知られる江戸東京野菜は、大消費であった江戸東京の台所を江戸時代から昭和に至るまで支えた野菜だったが、高度経済成長以降は流通の便や生産性の高い一代交配種(F1)に代わり、市場からは徐々に姿を消した。
一方で、昔ながらの味を求める消費者や飲食店からは根強い人気があり、大竹さんをはじめ、生産者やJAグループ東京などの手で、復活や存続の活動が続けられている。
地元野菜として地域振興や食育の面からも注目を集めており、講座では、北区(滝野川ゴボウ、滝野川ニンジン)、墨田区(寺島ナス)などの小学校での栽培や採種の取組み事例が紹介された。
次回は4月21日(すでに定員)、午前10時〜12時。問い合わせは委員会電話=090(9965)4669へ。