近代日本を代表する彫刻家、平櫛田中(ひらくし・でんちゅう、1872~1979年)が最晩年を過ごした小平市学園西町の旧宅の耐震補強・改修工事費を賄うため、小平市平櫛田中彫刻美術館はクラウドファンディング(CF)の第2弾を始めた。500万円を目標に7月25日まで寄付金を募る。(写真は平櫛田中の旧宅(記念館)、小平市ホームページより)

 平櫛田中は6代目尾上菊五郎をモデルとした代表作「鏡獅子」をはじめ、写実性や彩色に優れた作品をつくり続け、62年に文化勲章を受章。最晩年の10年間、創作活動を続けた小平市の自宅は没後、展示用の記念館として公開された。しかし68年に建てられた建物は半世紀を経て老朽化が進み、2019、20年度の調査で耐震性の不足が判明して以来、公開を一部に限定してきた。

 市は「近代彫刻の巨匠が生活し、創作活動を続けた記念館を後世に残し活用していきたい」と、再公開に向けて耐震補強・改修工事の設計費を賄うため、23年9月からCFを実施し、約1カ月で目標額の100万円に到達した。

 工事を実施する今年度は「平櫛田中応援プロジェクト」の第2弾として、CFを4月27日にスタート。寄付は同美術館窓口や市財政課のほかインターネットや金融機関を通じても可能で、小平市外からの2000円以上の寄付には額に応じて図録や絵はがきセットなどの返礼品を渡す。

【関連情報】
・平櫛田中彫刻美術館 クラウドファンディング(小平市

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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