小平市で1月11日、講演会「玉川上水の野草のお話」が開かれる。同市内を流れる玉川上水の川岸や沿道など周辺の植生について、観察し記録している研究者2人が、最新の観察記録を披露する。
玉川上水は、江戸時代に掘削された全長43キロの上水路で、人口急増の江戸の飲み水を担った。都市化により新宿など下流部は地下になり、地上に残った30キロほどが国の史跡に。小金井市や三鷹市など、沿道には土と雑木林の遊歩道が続き、市民の散歩道として親しまれている。昔は水量が多く、作家の太宰治が入水自殺した歴史もある。
「お話」では、「希少種を守る普通種」と題して高槻成紀氏が、群落全体を守る視点の大切さを解説。林に生えて黄色い花を咲かせるキンランが育つのに、高さ15~20メートルのコナラの樹による日陰は欠かせないという。内野秀重氏は、都の植物分布調査で今年、環境省指定の絶滅危惧種、ノジトラノオ(サクラソウ科)を玉川上水で見つけた。「ノジトラノオの再発見と玉川上水の野草たち」と題して報告する。
小平市福祉会館で午後2時~4時30分。資料代500円。玉川上水花マップネットワーク主催、玉川上水のみどりを未来へ残す会が共催。問い合わせは、高槻さん(080・1093・9565)

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