今年の3月から「臨時休業」中だった神山バッティングセンター(東久留米市)が、5月15日から営業を再開した。(カバー写真:神山バッティングセンターの外観)

 つい最近まで、「臨時休業」の紙が扉に貼られたまま、天井のネットが下ろされていた。昨年もマシンの修理等で休みが続いたことがあったが、ネットは下ろされていなかった。これはこのまま廃業してしまうのではないかと、やきもきしていた利用者も多かったと思われる。

 東久留米市に限ったことではないが、個人が営む店舗や小さな施設が次々になくなっている。この傾向はとめられないのではないかと、だれもが感じていることだろう。

 近隣のバッティングセンターも少なくなり、「神山バッティングセンター」は東久留米市では最後の1軒となっていた。3月からの「臨時休業」が、そのまま廃業とならなかったのは本当に喜ばしい。近頃では珍しい「復活劇」といえるだろう。

 しかし、再開は大きな決断だったようだ。

 従業員の方は、「ここの商売は単価200円の小商いですからね、マシンを修理するのはかなり費用がかかり、相当覚悟のいることなんですよ」と語っていた。

 なるほど神山バッティングセンターはかなり「安い」。1ゲーム200円だが、どのケージでも20球以上打てる。1000円でまとめ買いすると6ゲームできる割引もある。ケージは右から、95キロ・左右、135キロ・右、80~120キロ(速度調整可)・右、同・右左、同・右、90キロ右、80キロ・右左の7つで、どこでも高低の調整ができる。おまけに的に当てるとホームラン賞(ペットボトル)も出て、名前も掲示される。

 少年少女野球のメンバーや野球スクールの募集にまじって、高齢者野球の募集もあるということは、幅広い利用者がいることを意味している。地域にとってこういう施設は貴重だといえる。時流に逆らって持続されることを望みたい。

 神山バッティングセンター=東京都東久留米市神宝町2ー13ー3。電話番号=042ー475ー2225。

Loading

By 杉山尚次

1958年生まれ。翌年から東久留米市在住。編集者。図書出版・言視舎代表。ひばりタイムスで2020年10月から2023年12月まで「書物でめぐる武蔵野」連載。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP