新デザインの紙幣が流通する7月3日を前に、新5千円札の顔となる津田梅子(1864〜1929年)ゆかりの津田塾大学や小平市が記念の催しをさまざまに企画している。シンポジウムやパネル展示を通して女性の高等教育に捧げた生涯を顕彰する。(カバー写真:小平市役所1階の津田梅子パネル展示)

 津田は明治初め、日本初の女子留学生5人のうち最年少の6歳で渡米し、帰国後の1900年、津田塾大学の前身となる「女子英学塾」を東京の麹町一番町(現千代田区三番町)に創設した。1931年、小平に新学舎が完成。戦後の48年に「津田塾大学」と改称し、女性の地位向上と社会進出に貢献してきた。

 新札発行を記念して、津田塾大学同窓会は「津田梅子新5000円札記念プロジェクト2024」を立ちあげた。9月14日の創立記念日に同大千駄ヶ谷キャンパスで記念シンポジウムを開催。高橋裕子学長による講演や同窓生らによるパネルディスカッションを通して近代日本で津田の果たした役割を検証し、女子大学の存在意義や女性の活躍の現状と未来について考える。

 また7月3日からエコバッグ、マグカップ、一筆箋、メモ帳などオリジナルの記念グッズやLINEスタンプを大学生協で販売する。大学近くの洋菓子店では津田をモチーフにした「お札プリントサブレ」を販売し、「学生、OGからも好評」という。

 一方、小平市は市報6月20日号で特集を企画。市役所1階ロビーで津田の年表や写真、新5千円札顔出しパネルなどを展示している。女子英学塾卒業式での津田の英語スピーチもCDで聴くことができる(6月28日まで)。7月29日には津田塾大学の津田梅子資料室や墓所を見学後、小林洋子市長が「女性活躍や男女共同参画」をテーマにタウンミーティングを開く。

【参考情報】
・新5000円札の顔 津田梅子(小平市
・津田梅子新5000円札記念プロジェクト2024(一般社団法人津田塾大学同窓会
・市報こだいら2024 年6 月20 日号(小平市

津田梅子特集を企画した小平市報6月20号1面

Loading

By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP