小平市議会は6月28日、健康被害の恐れが指摘されるPFAS(有機フッ素化合物)などの地下水調査費を盛り込んだ一般会計補正予算案を賛成多数で可決した。またPFASによる健康調査や、汚染源特定のため在日米軍基地・事業者施設の調査を国や都に働きかけるよう求める請願書2件を採択、関連の意見書を可決した。(カバー写真:東京都水道局小平監視所=立川市幸町)

 数千種類以上あるとされるPFASは泡消火剤、金属メッキ処理剤、半導体の製造などに広く使用されてきたが、その一部には発がん性が指摘され、現在、PFOS、PFOA 、PFHxSは国内での使用・製造は原則禁止されている。

 これまで沖縄県や神奈川県などの米軍基地からの漏出が原因とみられる河川や地下水の汚染が判明し、全国各地で PFASを製造・使用していた工場周辺の汚染が問題化している。

 市民団体が2023 年に発表した多摩地区住民の血中PFAS濃度の検査結果では46%が米国の規制値を超え、なかでも汚染のため都水道局が井戸の取水を停止した立川・国分寺・国立・小平・府中など北多摩地区の汚染が目立つ。

 小平市は補正予算で地下水調査に約137万円(うち3分の2は都の補助金)を計上。市内4ブロック、計12地点の民有井戸の地下水についてPFOS、PFOA、PFHxSの濃度を測定し、来年2〜3月に結果を公表する。小平市がPFAS調査を予算化するのは初めて。

 一方、国は5月末、全国の水道水のPFAS検出状況を把握するため、自治体や水道事業者に対し、これまでの水質検査の結果や調査予定を9月末までに報告するよう要請した。全国の検出状況を把握し、PFAS暫定目標値の見直しの検討などに活用する。

 「PFAS 汚染問題を考える会」が提出した請願書では(1)健康への影響が考えられる血中濃度基準値の早期決定、必要な健康調査の実施とデータ蓄積などを国と都に求める意見書を提出するよう市議会に要望した。また(2)PFASを保管・使用していた在日米軍基地や民間事業者の施設・工場の立ち入りを含む調査を都内25市と連携して国と都に働きかけるよう求めた。

 (1)は賛成多数、(2)は全会一致で採択。(1)を受けた市議会の意見書は賛成多数で可決した。(1)に関しては「一人会派の会」が「国民の健康のためには、内閣府食品安全委員会が公表した、食品や飲料水の1日当たりのPFAS摂取許容量のほうが血中濃度基準値よりも合理的で重要。国の取り組みを前提にしていない請願書や意見書は不適切」などと反対意見を述べた。

【参考情報】
・PFAS汚染問題を考える会(X
・多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会(HP
・多摩地区の有機フッ素化合物の過去の検査結果及び水源井戸の検査結果(東京都
・PFASのリスク評価、その意味は? 姫野誠一郎座長インタビュー(食品安全委員会

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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