年に1回の貴重な機会に朝早くから多くの来園者が訪れていた

 東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構(西東京市緑町1)のハス見本園で7月27日、観蓮会が開催された。同園は300種類以上の花ハスを栽培しており、約100種が美しい花を咲かせ来園者を楽しませていた。

 会場では、2011(平成23)年に登録された品種「緑地美人(りょくちびじん)」や、2016(平成28)年に品種登録された「月のほほえみ」、現在の東京大学検見川総合運動場で発掘された古代ハスの「大賀蓮(おおがはす)」などの珍しい花ハスを見ることができる。

 出迎えた園内スタッフは、来場者らの質問に笑顔で答え、品種が混ざらない工夫や開花して4日で散っていく過程、花の香りの違いなどを丁寧に説明していた。

 ハスの花の開花は7時間前後。午前3時ごろから咲き始め、5時ごろに満開となり10時過ぎに閉じる。寿命はわずか4日間で、毎日、開閉するごとに大きく花開き、4日目の午前中には散ってしまう。

 見本園入り口脇には、大賀蓮の香りの成分を取り出した香水やハンドクリーム、藻の一種であるユーグレナを混ぜ込んだクッキー、演習林の樹木シラカシを使用した箸など、東京大学の研究成果を活用した商品の販売も行われた。

 コロナ禍には開催を見送ったため5年ぶりの開催となった同会。午前7時から11時までの4時間で、約860人が来園し賑わいをみせた。

 同会は大学の取り組みや研究結果を市民に知ってもらう貴重な機会でもある。生態調和農学機構の教職員とボランティアスタッフが協力して研究者と市民を繋いだ。事前準備から当日まで、対応したスタッフは約30人。参加したボランティアの男性は「より充実した観蓮会にしようと、できるだけ来園者に声掛けして説明して回った。新たな発見と知ることを楽しんでもらえれば」と話した。

【関連情報】
・東大ハス見本園(ハス見本園
・生態調和農学機構(公式サイト
・UTCCオンラインストア(公式サイト

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By 卯野右子

西東京市新町在住。会社員。仕事の傍ら「アートみーる」(対話型美術鑑賞ファシリテーター)「みんなの西東京」「放課後カフェ」の活動に参加。東京藝術大学で「アート X 福祉」をテーマとしたDOORプロジェクトを履修。2019年より3年間、東京都美術館のとびラーとして、2022年からはアート・コミュニケータとして、人と人、人とアートをつなぐ活動に携わる。

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