カバー写真:小平市鈴木町から西方に見えた虹。8月28日午前5時23分

 8月28日早朝、西の空に大きな虹がかかった。くっきりと見えたアーチは20分ほどで薄く消えていった。

 「朝虹は雨」と言われる。太陽が東から昇る朝、西側に雨雲があるとき虹が立つ。雲はだいたい西から東に流れていくので、雨雲はこれからこちらにやってくる。なので「朝虹は雨」。

 関東ではこのところ、太平洋高気圧や台風10号の周囲を巡る湿った空気が流れ込んで断続的に雨雲が通過している。前日の27日早朝には二重の虹が立ち上がった。

 散歩をすると、道端の垣根や畑に色鮮やかな朝顔が咲いていた。一日花の朝顔は日没から10時間後に開花し、暑くなると花びらの水分が蒸発してしぼんでしまうという。薄暗いころに花開き、残暑が厳しい今だと数時間後にはその花の命を終えることになる。朝虹と朝顔。いずれもはかない。

Loading

By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP