高架工事中の東村山駅のジオラマ模型「変貌する鉄路」(10月30日、東村山市役所)

 高架化工事中の西武新宿線東村山駅のジオラマ模型「変貌する鉄路」を出品し、2024年8月の「全国高等学科鉄道模型コンテスト」で優秀賞を獲得した明法高校(東村山市富士見町)の2年生・梅津健さん(16)が10月30日、東村山市役所を訪れ、渡辺尚市長らに作品を披露した。

 東村山駅の高架化工事は4年後の完成を目指し、現在使用中の線路とプラットホームを覆うように新駅建設が進んでいる。梅津さんは通学途中に電車で通る東村山駅を見ながら「日々変化する駅の姿を立体的に表現しよう」と思いついた。

 2023年春から1人でほぼ10カ月かけ、150分の1スケールの模型に仕上げた。Nゲージの電車車両や線路、車を除けば既製品を極力使わず、ホームセンターでの材料集めやコンビニでのレーザープリンター利用など工夫を凝らし、立ち入れない工事現場の様子はネットやSNSにアップされた画像などを参考にした。制作費は「2万円程度」という。

 駅の表示板や生き生きとした人の動きのほか、駅東口に立つコメディアン故志村けんさんの銅像も精密に作り込まれている。コンテストでは工事中の駅というユニークな着想やリアルさが評価されたようだ。

 梅津さんは15人いる同校の模型・ジオラマ同好会会長で、小学生の時からの鉄道模型ファン。将来は工業デザイン関係の仕事に就くのが希望という。表敬訪問を受けた渡部市長は「本当にすごいね」と感心しきりだった。同市は「広く市民にも見てほしいが壊れやすい作品なので一般公開がなかなか難しいのが残念」と話している。

 ちなみに「鉄道模型の甲子園」ともいわれるコンテストでこの年最優秀賞に輝いたのは小平市の白梅学園清修中高一貫部の高2女子生徒グループが作製した「ようきてくれんさった・垣間見る岐阜」だった。

作品を前に話し合う梅津健さん(右)と渡部尚東村山市長
工事中の東村山駅東口(10月31日)

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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