豪華列車「夢空間」(清瀬市提供)

 清瀬市は日本の豪華列車のパイオニアとして1989年にJR東日本が製造した客車「夢空間」を市立中央公園(梅園1丁目)に設置する計画を進めている。埼玉県三郷市の「三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷」から移設するための費用の一部を賄うため今年8月5日から10月31日までクラウドファンディングでの寄付を一般から受け付け、1000万円の目標に対し314件、533万1000円が集まった。

 中央公園は結核療養施設「清瀬病院」の跡地で、記念碑や清瀬で結核療養にあたった俳人石田波郷の句碑などがある。同公園のほか、隣接の中央図書館を含めて大規模に再整備し、その目玉として夢空間を修復して展示する計画。多世代が楽しめ、清瀬市のセントラルパークとしてにぎわいを創出する。

 夢空間は1号車・食堂車、2号車・ラウンジカー、3号車・寝台車の3両1組で構成され、豪華な外観と内装が多くの鉄道ファンの人気を呼んだ。東日本地区を中心に寝台特急の臨時列車として活躍し、上野―札幌間を結ぶ「北斗星」に連結された際は「夢空間北斗星」の愛称で親しまれた。

 2008年に営業運転を終了、1,2号車が「ららぽーと新三郷」に設置された。清瀬市はこの2両を譲り受けて本年度内に移設、修復作業を経て2026年8月に公開を目指す。資金の寄付を募るクラファン第2弾、第3弾も計画しており、同市は返礼品も体験型を考えるなど工夫したいとしている。

 渋谷桂司市長は「クラファン第1弾は目標額には達しなかったが多くの方々にご協力いただき大きな成果を挙げることができて感謝している。中央公園にはかつて人気のローラースケート場を設置していた時期もある。結核療養の歴史を物語るモニュメントなも残しつつ、多くの世代が時代に合った楽しさを感じられる場にしたい」と話している。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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