1月20日は二十四節気の大寒。筆者の生まれ育った福島県会津地方には、寒い時期にうってつけの飲み物がある。「ここのへ」(九重)といい、100年以上前から飲み継がれている。
あられ状のもち米にゆず、ぶどう、緑茶の風味を糖衣でコーティングした直径3ミリほどの粒状のお菓子で、「飲むお菓子」と呼ばれて親しまれてきた。湯呑みに小さじで2~3杯入れてお湯を注ぎ、プチプチと音を立てて粒が浮いてきたら飲む。
筆者の好みはゆず味。ミモザの花より一回り小さい、鮮やかな薄黄色の粒がお湯に溶けて、ほんのりとしたゆずの香りが上品で優しい甘さを引き立てる。
子どもの頃に囲炉裏端やこたつの中で、背中を丸めながら飲んだ記憶がなつかしくよみがえる。