4月6日投開票の小平市長選に向けて、子どもたちが模擬選挙の体験を通じて地域の課題や未来について考えるプロジェクト「こだいらこども選挙」がスタート。2月2日にはプレイベントとして、市内の子どもらが選挙をテーマにした絵本を読んで投票を体験するワークショップが小平市中央公民館で開かれた。
こども選挙は2022 年の神奈川県茅ヶ崎市長選で始まり、キッズデザイン賞最優秀賞、グッドデザイン賞金賞、マニフェスト大賞最優秀賞(市民・団体の部)など数々の賞を受賞。これまで全国 13カ所で実施され、東京都内では小平が初めてとなる。
主催は市内小学校の元PTA会長を中心に構成される市民団体「こだいらこども選挙実行委員会」。この日のワークショップには応募した市内の小学生と中学生20人が参加した。
用意したのは、選挙や民主主義を楽しく学ぶため子どもたちによるワークショップを基に作られた絵本『どうぶつせんきょ』(ほるぷ出版)。まず動物たちに扮した大人が絵本のストーリーに沿った寸劇を演じた。
強権的なライオンに代わる新リーダーを選ぼうと「誰でも立候補できる」「1人1票投票できる」などの規則を基に選挙が始まる。立候補、立会演説、討論会、投票…。4候補への質疑を通じて子どもらは各候補の選挙ポスターに「かならずじっこうして」「あんまりしんようできない」など要望や評価を書き込んでオリジナルポスターを作った。
投票の結果、ナマケモノとヘビが同数となったが、ヘビの選挙違反が発覚してナマケモノが新リーダーに。「私は人の話を聞くことがどんなに大事かを学びました。まず議会を作りたい。そこでみんなが意見を言える。一緒にやっていきましょう」と当選の弁。大人が見守る中、子どもたちからは終始、歓声や笑い、ツッコミが相次いだ。
講師で早稲田大学マニフェスト研究所の青木祐一さんは、選挙と民主主義の歴史を伝えたうえで「いい地域をつくるためには、みんなで考え、みんなで決めることが大事。そのためには情報を得ることや対話や議論が必要になる。今度の小平市長選に向けて、子どもから大人に意見を伝えて自分たちの街に関わっていってほしい」と話した。
プロジェクトでは、このワークショップに続いて小・中・高校生(定員15人)が次の活動に取り組んでいく。
(1)2月16日に「こども選挙管理委員会」を発足させて候補予定者への質問を考え、質問動画を撮影する。
(2)2〜3月、質問動画に対して候補予定者から動画で回答を得る。
(3)選挙期間中に、国分寺マルイのほか小平市内数カ所の「こども選挙投票所」で、来場した子どもが投票。大人も交えて投票受付など模擬選挙の運営に参加する。
(4)4月6日の 市長選終了後に模擬選挙の投票結果を公表し、子どもたちの声を集約して候補者に届ける。
実行委員会では、こだいらこども選挙管理委員会のメンバーを募集している。問い合わせは、こだいらこども選挙( https://kodaira-kodomo-senkyo.jhp.jp )