国立精神・神経医療研究センター病院

 小平市の国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP病院)は、深刻化する子どものメンタルヘルスに対応するため、4 月 1日に新たに「児童精神診療部」を開設し、外来診療を始める。

 近年、子どものメンタルヘルスが急速に悪化している。2024年度の小中学校の不登校者数は35万3970人で、12年連続で過去最多を更新した。18歳未満の発達障害が急増し、子どもの自殺者数も高止まりしている。

 全国児童青年精神科医療施設協議会38医療施設の2021年度外来・入院統計によると、児童精神科外来を受診したり児童精神科病棟に入院したりする子どもの疾患のうち、自閉スペクトラム症とADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害がその半分を占める。

 一方で、児童精神医療に関わる専門職・専門病院の数は限られており、教育・福祉・母子保健・司法など地域の専門機関と連携するための人材不足とともに、子どものメンタルヘルスに関するデータ蓄積の限界が指摘されてきた。

 NCNP病院に開設する児童精神診療部は、神経発達症(発達障害)や統合失調症、気分障害(双極症・うつ病)、不安症、睡眠障害など児童精神科領域の疾患・障害を対象に、精神診療部、脳神経小児科診療部と協力して診療に当たる。

 また精神保健研究所、認知行動療法センターなどと連携し、新しい診断法、治療法の開発を進めると同時に、専門的知識や経験を持つメディカルスタッフを養成するための実践的な教育プログラムを提供することを目指すとしている。

 佐々木剛診療部長は「児童精神診療部は子どもと家族が素直に頼れる安全基地でありたい。多様なこころの問題に共に向き合いながら専門職が連携してより良い診療と支援を提供するとともに、最新の診断・治療法の開発や次世代のメディカルスタッフの育成にも力を注いでいきたい」とコメントしている。

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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