西武国分寺線・鷹の台駅前にある樹木の二脚鳥居支柱

 小平市が2022年に発注した公共工事で、受注業者に支払う工事費のうち樹木の支柱設置に要した約1万8千円が約2年半にわたり未払い状態が続いている疑いのあることが、9月12日の市議会定例会の一般質問で明らかになった。

 問題となっているのは、2022年から23年にかけて小平市が実施した鷹の台駅前広場整備工事。工事は東京都が補助事業として9割を支出、小平市は1割を負担した。

 このうち未払いの疑いがあるのは、西武国分寺線・鷹の台駅前にあるサークルベンチ内に据え付けた樹木の木製二脚鳥居支柱の設置費約1万8千円。今年3月に開かれた同市議会環境建設委員会で、安竹洋平議員(一人会派と維新の会)が支柱設置費について尋ねたところ、当時の公共工事担当課長補佐(現・公共工事担当課長)は「当初設計に入っておらず、支払いはしていない」と未払いの事実を認めた上で「工事終了後も小平市が管理をしているので支柱は市の所有物」などと答弁した。

 ところが、工事費をめぐる9月12日の伊藤央議員(一人会派と維新の会)の質問に対し、小林洋子市長は「工事全体の設計変更を行う際に設計変更案を受注業者に示したが、支柱などに関する異議はなく、合意を得たうえで手続きは完了したため、未払いの認識はない」と未払いの事実を認めた3月の答弁を翻した。

 支柱を設置した受注業者(小平市)によると、23年3月中旬ごろ「植樹した樹木の枝が細いので、風で飛ばされたりしないようにするために支柱が必要」と市道路課職員に打診したところ「やっておいて」と言われたという。

 受注業者は「そもそも市側から設計変更案は示されておらず、当然合意もしていない。設置に要した代金をきちんと支払ってもらいたい。なぜこのようなことがまかり通るのか疑問を感じる」と話している。

小平市議会(9月12日)
工事の設計内訳明細書を前に説明する受注業者

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By 渡辺正大

ジャーナリスト。共同通信社記者、出版社で編集者などを経験。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース修士課程修了。修士論文「調査報道における取材手法の考察」。調査報道、事件、地方自治、ローカルニュース、いじめなど幅広いテーマをフィールドに取材を続けている。

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