マイクロプラスチックの原因となる海洋ごみ

 「環境と健康を脅かす マイクロプラスチック汚染」と題した講演会が1月24日、小平市で開かれる。東京農工大学農学部の高田秀重名誉教授(環境汚染化学)が講師。マイクロプラスチックによる環境汚染や健康被害について、どのように対処すべきなのか、最新の研究進度などと合わせて考える。

 高田氏は、プラスチックと環境ホルモンを研究。東京農工大のキャンパスで2019年、学内にマイボトル用給水器を設置した「プラスチック削減 5R キャンパス」を提唱して実施。学内の自販機からペットボトルがなくなったという。現在は、国際プラスチック条約制定に向け、専門家として活動している。

 NHKのクローズアップ現代「人体からプラスチック粒子が・・懸念される健康リスク」(2025 年2月放送)にも出演、マイクロプラスチックの危険性を指摘した。共著書『地球をめぐる不都合な物質』(講談社)のほか、『プラスチックモンスターをやっつけよう! きみが地球のためにできること』 (クレヨンハウス)、『分別が楽しくなる! ごみと資源のリサイクル』( 新日本出版社)を監修した。

 主催する市民団体「小平・環境の会」は、「人間が便利にプラスチックを使い続けた結果、一部が川や海に流れ出し、2050 年には海洋中のプラスチックが魚の総量を上回ると指摘されている。近年は、人の体内からプラスチックや関連化学物質が検出され、それによる健康被害の恐れも出ている」と話す。

小平市中央公園(小平・環境の会提供)

 また、身近な例として、「市民に反対の声があるにもかかわらず、マイクロプラスチックの主な発生源の一つである人工芝が、小平市中央公園グラウンドに敷設されようとしている。フィルターを設置しても、発生する人工芝片の捕捉率は発生量の4%以下といわれており、ほとんどが環境中に放出される」と懸念する。

 講演会は小平市中央公民館ホール(小川町2-1325)で、午後2時~4時。資料代500円。問い合わせは、同会kodaira_kankyo@jcom.zaq.ne.jpまたは同会の島さん080-5496-7675へ。中央公園改修に市民の声を届ける会とPFAS 汚染問題を考える会・小平の両会の協賛。

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By 吉井亨

元新聞記者 東京、北海道、九州のほか、群馬を除く関東5県などで取材。卒業後は日本語教師も。

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