西東京市の旧保谷庁舎に程近い民家の庭で、能登半島地震に被災した生産者を応援するため、能登の海水塩を使った手作りパンの販売などを行うイベント、「SHARE WELL Hironta(シェア・ウェル・ヒロンタ)廣田さんちの金曜パン」(東町1丁目)が1月26日、開催された。(カバー写真:HātWorkの坂口善恵さん=右)

 当日は、シェアキッチンを中心に手作りパンの製造・販売を手掛ける「HātWork(ハートワーク)」の食パンや塩パンなど、約20種の手作りパンが並べられた。開場の午前11時に合わせて、インターネットで予約した客や当日通りかかった客などが買い求める様子が見られた。

 HātWorkの坂口善恵さんは、添加物を使わない手作りパンを提供するため「素材にはこだわってきた」と話す。味付けの要となる塩は特にこだわり、能登半島沖の海水を工場で熟成した食塩を送ってもらっていた。

 1月1日に能登半島地震が発生。日本中が混乱する中、坂口さんはなんとか工場と連絡を取り、無事と聞いて胸を撫で下ろした。しかし、地面は4メートル隆起し、道路はズタズタだと聞かされた。「とても塩を運べる状況ではないとわかった」と振り返る。

 幸い塩の買い置きが残っていた。だが長くは持たない。このままではいつものパンが焼けない。不安の中、坂口さんは「でも、まずはやれることをやろう」と、イベント開催に至った経緯を話した。

 会場には能登半島地震の支援募金箱が設置された。集められた義援金は、イベントの売上金と合わせ被災地へ送る予定だという。

 会場の「SHARE WELL Hironta(シェア・ウェル・ヒロンタ)」は、自宅の庭を提供し、人と人が繋がるつながれるような井戸端会議を再現したいとプロジェクトを発足。2020年9月にクラウドファンディングで募った資金を活用して井戸再生に取り組むなど、地域コミュニティの活性化に向け、さまざまなイベントを開催している。

幅広い層の来場者が訪れた
会場の当日の様子

【関連情報】
・SHARE WELL Hironta(HP
・HātWorkのパン(HP

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By 川地素睿

高知県出身。東久留米市在住20年。法律事務所、旅行業を経てNPO法人に参加する。もうすぐ地域に帰ってくる団塊世代。高齢者も含めた多世代が関わるまちづくりに関心がある。

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