シンポジウム「世界から見た玉川上水」が4月5日、小平市で開かれる。会場(定員160人)は、事前申し込みで満席となり、オンラインでの参加者(定員100人)を募集している。
玉川上水は、江戸時代に掘削された、現在の東京都羽村市から新宿区まで、全長43キロの素掘りの上水路。多摩川を水源に、人口が急増した江戸の飲み水を担った。上水の高低差は92メートル。100メートルあたり21センチほどの高低差で、当時の土木技術の高さがうかがえる。都市化で地下になった下流部を除く30キロが2003年、国の史跡に指定された。
シンポジウムには、海外での研究や知見がある4人が登壇、玉川上水の国際的な価値について意見を交わす。イタリア建築史・都市史が専門で、『水都東京』(筑摩書房)の著書がある陣内秀信・法政大名誉教授。『緑地と文化』(岩波書店)の著者で、世界各地で公園緑地の設計、自然環境の保護に携わる石川幹子・東京大名誉教授。環境コンサルタントで、昆虫学者の新里達也さん。『野生生物保全技術』(海遊舎)の著書がある。リー智子さんは、地元の市民団体による署名活動、「生き物の宝庫、史跡玉川上水を未来の子どもたちへ」の呼びかけ人。署名活動では、東京都の玉川上水保全への姿勢を規定する「玉川上水景観基本軸」や「生物多様性地域戦略」に沿った調査と知事の「現地」視察を要望する。
「現地」とは、同市の西武国分寺線鷹の台駅東側の玉川上水だ。半世紀以上前に決まった道幅36メートルの都道計画が進んでいて、このままだと玉川上水にかかる。市民の署名活動で2013年、計画見直しの賛否を問う住民投票が実現。5万1010人(投票率35.17%)が投票した。
住民投票前後の同市長選の投票率(35%前後)とほぼ同じだったが、住民投票には投票率50%の条件が付けられて、開票されなかった。工事は進み、玉川上水に迫っている。リーさんは、「玉川上水は、江戸の人々の地形を見抜く力や、高度な土木技術が生みだした傑作。水の流れは、武蔵野地域一帯に命を吹き込み、文化を育んだ。今は、開発、気候変動などにより荒廃が進み、保全と再生を必要としている」と話す。
「広い視野から玉川上水がもたらすものの意義を確認する」150分だ。
4月5日午後2時~4時30分、小平市中央公民館で。定員160人(資料代500円)の事前申し込みは締め切った。オンライン参加者(定員100人)を募っている。「世界から見た玉川上水」実行委員会が主催。オンライン参加の申込みは、pr.tamagawa.josui@gmail.comまで。詳細を返信する。問い合わせは、メールでリー智子さん(satoko.lee@gmail.com)へ。


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