東村山市議会は3月26日の3月定例会最終日で、市長提案の萩山小学校建て替えについての契約案を反対多数で否決した。仮契約ができた案件が否決されるのは珍しく、小学校の建て替えを含む複合施設整備という東村山市として初の大事業は大きな壁に突き当たった。
市立萩山小(東村山市萩山町1)の老朽化に伴う建て替えは約15年前から課題となっていたが、単に建て替えるのではなく、同じく老朽化が進む周辺の公民館、図書館、集会所など地域の公共施設の機能を集約した複合施設として建設する計画が進められてきた。
このようなコンセプトを基に2025年、設計、施工、維持管理を一括して受注する事業者の公募が行われ、「乃村工藝社」(東京都港区)を代表とする6社のグループが優先交渉権者に選定された。各施設を2階建ての低層建築に統合し、建設費、管理費などの負担軽減を図りながら誰もが気軽に立ち寄れ、世代を超えた交流や地域のコミュニティ活動の拠点とすることを目的としている。総事業費は約80億円で、2030年の利用開始を目指している。
この日の市議会本会議で提案され、市側はこのところ全国的に建設事業の契約不調が続いている中で、市の基本的な考えが満たされる提案が2つのグループから出され、優先交渉者が決まったことを評価し、本契約に進むことを訴えた。
しかし、長時間にわたった質疑、討論では物価高騰を背景に事業費が歯止めなく膨らむことや、公民館、図書館などの機能が低下すること、教育環境の変化に対する懸念、事業者との交渉内容の不透明さなどに関する不安、不満の声が相次ぎ、採決の結果、反対多数で議案は否決された。
渡部尚市長は「今後のことは現時点で未定ですが、まずは萩山小の建て替えを楽しみにしていた市民の皆さん、子どもたちに大変申し訳なく心よりおわび申し上げます」とSNSに投稿した。
![]()

