若者ミーティングの様子(西東京市公式サイトより)

 西東京市は奨学金返還による若者の経済的負担を軽減するため、市内在住の若者を対象に奨学金返還額の半額を補助する新制度を4月からスタートさせた。市の若者参画プロジェクトにおける調査や議論を反映させた政策が実現した。

 西東京市は2024年5月、市の若手職員が若者とともに未来のまちづくりについて議論するプロジェクト「若者ミーティング」を立ち上げ、市政モニター調査や大学・地域イベントでの聴き取り調査を実施。その結果を基に議論を重ね、「情報の不足」「地域とのつながり不足」「経済的不安」など若者が抱える課題の解決に向けた提案を市に提出した。    

 2025年の第2期調査では、奨学金利用経験者の85%が毎月1万5千円~3万円の奨学金返還を「負担」と感じ、貯蓄や資産形成といった面から将来不安の一因になっている実態が明らかになった。

 計812人の若者の声を集約した若者ミーティングの提案を受けて、市は多摩26市でもほとんど導入されていない「奨学金返還支援制度」を創設し、26 年度に2000万円の予算を計上した。

 支援の対象は26年4月1日時点で29歳以下で、大学等を卒業後3年以内の西東京市在住者。補助金額は申請前の6カ月間に返還した奨学金の半額(1回上限5万円・年間最大10万円)。申請は年2回で第1期は26年4月1日~5月31日、第2期は10月1日〜11月30日。支援対象者は200人前後を想定している。

 若者ミーティングに参加した職員からは「一つひとつの声やデータを積み重ねることで、若者の課題が見える形になっていく過程は非常に興味深く、大きなやりがいを感じた」「私たちの提言が制度として実現していく過程に関われたことは大きなやりがい。若者の声が実際に政策として形になる手応えを感じた」といった声が寄せられた。

 若者ミーティングは庁内プロジェクトとして企画政策課が運営してきたが、26年度からは子ども若者応援課が所管する市民主体の「西東京市若者会議」となる。市に関わりのある若者が若手職員のサポートを受けながら「政策・事業の評価」「地域課題の検討」「情報発信」などを通じて若者参画の政策立案に取り組んでいく。4月1日~5月10日に15人を募集し、任期は5月21日〜27年3月31日。1回2000円(全7回予定)の謝金が支払われる。

 池澤隆史市長は「次世代につなぐまちづくりのためには、時代に合わせた新しい発想や視点、行動力で、政策を常にリモデリング(再構築)していくことが重要。その担い手として若者が参画しやすく中核となれる市政運営を進め、若者とともに未来につながるまちづくりを実現していきたい」とコメントしている。

【参考情報】

【29歳以下の学校等卒業後3年以内の方対象】奨学金返還支援事業補助金(西東京市)

西東京市若者会議応募フォーム

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若者の一番の不安は「お金」 西東京市の若者調査結果

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

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