国立ハンセン病資料館(東村山市青葉町)は6月18日、新たに導入したVRによるハンセン病療養所の解説プログラムを報道関係者に披露した。2027年4月、常設展示のリニューアルが計画されており、それに先立つ公開。
最先端の映像技術を駆使して①ハンセン病隔離政策の象徴であるコンクリートの壁(菊池恵楓園)、ヒイラギの垣根(多磨全生園)、瀬溝の海峡(邑久光明園、長島愛生園)②現在の多磨全生園の様子―の2本のコンテンツ(各約10分間)を仮想体感し、強制収容・終生隔離の被害をたどる。
専用のゴーグルを着けて資料館内の壁に向かうと、社会と患者を分けたコンクリートの壁や入所者の逃走防止も目的とした高さ3メートルのヒイラギの垣根、さらに療養所のある小島と本土を隔てる幅22メートルの海峡といったリアルな再現映像が次々と表れ、家族や故郷から引き離された厳しい隔離の状況を物語る音声が流れる。
2本目では資料館屋上から撮影した360度映像で現在の多磨全生園を紹介しながらかつての隔離政策や療養所の様子を説明し、ハンセン病問題が今なお深刻な人権課題であることを訴える。
VRプログラムの一般公開の詳細は検討中というが、7月からリニューアル工事による休館となる12月までに月1回程度行う方針。2027年4月のリニューアル完成後は新たな展示内容に呼応したコンテンツの豊富化や来館者の要望に沿った運用の工夫をしていきたいという。
この日の説明を担当した吉國元・学芸員は「これまでの展示では伝わりにくかった部分を、新しい技術を使って改良し、特に若年層にも訴える力が増すと期待している」と話した。




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