貴重な森を守ってと訴えるトトロのふるさと基金メンバー(6月1日・立川市役所)

 トトロのふるさと基金(安藤聡彦理事長)が所有する東村山市多摩湖町の「トトロの森56号地」で、根回り3メートルを超えるエノキの大木が道路拡幅計画により伐採、伐根の危機にあり、この大木と森の小道を救ってほしいと、同基金が7月21日、3万1255人分の署名を渡部尚市長に提出した。

 56号地の南側には市道が走っており、この市道を含む隣接地は区画整理事業の工事が行われている。エノキは56号地と市道にまたがる形で立っており、工事中に市道側に延びた根が無断で伐採されたと同基金は抗議。シンボルツリーともいえるエノキを守り、森の小道として親しまれている市道も保全してほしいと要望して署名運動を立ち上げていた。

 東村山市は市道の北側に広がる薬師山緑地を貴重な樹林地として保全に取り組んでいるが、土地全体を取得するには予算が不足として2020年、同基金に取得を持ち掛け、基金が買い取って緑地保全に努めていた。

 同基金の抗議に対して市は「区画整理事業計画は決定済みで見直しはできない」とした上で、エノキの根は養生して枯れないように努めることを示した。計画によると市道は幅4メートルのアスファルト道路となり、街路灯も設置されて土の「森の小道」は失われる。

 同基金の署名を受け取った渡部市長は「ご心配をお掛けして申し訳ない。署名は重く受け止める」と謝罪した上で、エノキは保全し、森の小道については区画整理事業組合側とも話をして自然に近い形にする方法を探る考えを示した。

 同基金は今後も署名運動を続ける一方、認可権限を持つ東京都や、区画整理事業組合側にも働き掛ける活動を続けたいとしている。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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