予算案を発表する渡部尚・東村山市長

 東村山市は2月5日、2025年度予算案を発表した。一般会計は697億2904万円で過去最高、前年度からの伸び率は7.6%となった。市税収入が221億2675万円と5.8%の高い伸び率を見込み、地方消費税交付金や地方交付税も伸びることなどが寄与した。

 基金繰入金の取り崩しや市債が減って財政健全化に一歩進んだが、渡部尚市長は「財政基盤はまだまだ弱く、厳しい運営には変わりがない」と述べた。

 予算事業のポイントとしては「改革と投資のサイクルを加速させ、早期に財政効果の発言を図り、笑顔つながる持続可能な東村山を実現する」とした。

 新規事業として物価高騰の影響を受ける市内中小企業者を支援するため、生産性の向上等、経営基盤の強化につながる前向きな投資等に対しその経費の一部を補助する事業に1億円を充てるほか、市内農業者に対しても経営の下支えとなる支援を行う。

 昨年、東京都の支援を背景に導入した学校給食費無償化事業には約6億円を充てる。市立小学校が給食調理場を持つ「自校方式」は施設の老朽化などが問題となっており、近隣校で調理する「親子方式」や「外部調理方式」導入のための予算も計上された。しかし反対の声もあり渡部市長は「基本的には自校方式を維持しながら各校の事情に応じて進める」とした。また、こども食堂等推進事業として経済的支援を市として初めて行い、2026年度からは体系的に措置するという。

 西武鉄道東村山駅前後区間が2028年までに高架化されるのに伴う「駅周辺まちづくり」や西武新宿線久米川駅南口の駅前広場再整備事業も具体的な動きを加速させる。

 持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを売り物にする東村山市としては、地球温暖化対策事業として太陽光発電システム、蓄電池、家庭用燃料電池を設置するなどした市民に費用の一部を補助する。またエコ行動を実行した市民にデジタル行政ポイントを付与する取り組みを開始する。

 新年度予算案を審議する定例市議会は2月20日に始まる。

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By 飯岡志郎

1951年、東京生まれ。西東京市育ちで現在は東村山市在住。通信社勤務40年で、記者としては社会部ひとすじ。リタイア後は歩き旅や図書館通いで金のかからぬ時間つぶしが趣味。

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