当選にガッツポーズをする小林洋子氏(4月6日午後10時半ごろ、小平市鈴木町1丁目の選挙事務所)

 任期満了に伴う小平市長選挙は4月6日に投開票され、無所属で現職の小林洋子氏(52)が、いずれも無所属新人の前小平市議会議長の松岡篤氏(39)と障害者施設勤務の宮川和之氏(61)=共産推薦=の2人を破って再選を決めた。当日有権者数は15万8150人。投票率は38.68%で前回(2021年)の39.20%を0.52ポイント下回った。

 小林氏の選挙事務所では午後10時半ごろ、当選確定の報に拍手と歓声が上がった。小林氏は「今回、相手候補のSNSを使った選挙戦の実態が見えず不安だったが、結果が残せて率直にうれしい」とあいさつした後、支援者らと万歳三唱をした。

 勝因について「私の4年間の仕事を見たうえでの期待値だと思う」とし、争点となった公共施設の建て替え事業については「計画通り進めていきたいと思う。ただ、事業費などについては市民への説明が足りていないことを実感した。今後、広報に力を入れていきたい」と語った。

 小林氏は初当選した2021年の市長選では立憲民主、共産、国民民主などの推薦を得たが、2期目は「どの政党とも等間隔の距離感で話をしていきたい」と政党の推薦・支持は受けないことを表明していた。1期目の実績として学校給食費の無償化や小中学校体育館への冷暖房設備設置などをアピール。2期目に向け、物価高対策に加えて「防災・減災、DXの推進、女性の活躍」を掲げ、共産を除く各政党や業界団体からの支援を幅広く集めて票を伸ばした。

 松岡氏は2015年の市議初当選以来、自民の公認を得てきたが、今回は自民党小平総支部が小林氏の応援を決めたため、初めて自民を離れての選挙戦となった。公共施設の建て替え事業費が2〜3倍に高騰していることを争点に据えて計画の白紙撤回を主張。SNSを積極的に使って市政の刷新を訴えたが、出馬表明が3月上旬と遅れたこともあり、十分に支持を広げることができなかった。

 この日、開票を見守る選挙事務所(小平市小川町)からYouTubeでライブ中継した松岡氏は、選挙結果に「くやしいが、市民の選択は尊重したい。今後は応援してくれた人々の思いを受けて自分に何ができるかを考えていきたい」と語った。

 宮川氏は共産の推薦を得て、公民館など公共施設の複合化・統廃合計画の見直しなどを訴えたが、正式な出馬表明が告示3日前と大きく出遅れ、及ばなかった。 

確定得票数
 当  33677 小林洋子 無現
    22162 松岡 篤 無新
     4873  宮川和之 無新

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参考情報:
・令和7年4月6日執行 小平市長選挙 開票速報(小平市選挙管理委員会
・令和7年4月6日執行 小平市長選挙 投票速報(小平市選挙管理委員会

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By 片岡義博

共同通信社の文化部記者として主に演劇、論壇を担当。福岡編集部、文化部デスクを経て2007年にフリーに。書籍のライティングと編集、書評などを手掛ける。2009年から小平市在住。

2 thoughts on “小平市長選、現職の小林洋子氏が再選 投票率は38.68%”
  1. 選ばれた小林洋子市長に、従来に増して頑張っていただきたいです。重点的な政策としている、公共施設再構築、DX、防災すべてに取り組みが足りていません。広報に課題があることも明らかになりました。

  2. 話題が多かった小平市長選挙ですが、投票率が低かったのには驚きました。自民党と共産党の退潮が感じられ、松岡候補のSNSを活用した選挙運動も今ひとつ盛り上がりませんでした。小平市民の意思がよくわからない選挙でもありました。次は都議会議員選挙ですね。

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